民主党の大統領候補者として正式に指名されたカマラ・ハリス副大統領。バイデン氏の撤退表明後、共和党候補のトランプ氏を猛烈な勢いで追い上げており、世論調査サイトRealClearPoliticsの平均値(6日現在)では、47.4%対46.9%で、トランプ氏をわずかに上回った。
勝敗を決定づける激戦州に関して、ブルームバーグ/モーニングコンサルトの世論調査(7月24日から28日に実施)では、ミシガン州でハリス氏がトランプ氏に11ポイントの大差をつけた。ハリス氏はアリゾナ州、ウィスコンシン州、ネバダ州で2ポイントリード。トランプ氏はペンシルベニア州で4ポイント、ノースカロライナ州では2ポイントリードしている。ジョージア州はタイとなるなど、互角の戦いを展開している。
身内からは警戒の声
ポジティブな報道が多いハリス氏だが、リベラル派メディアや民主党のストラテジストからは、油断できないとして警戒感を示す声が上がっている。
Voxの編集長スワティ・シャルマ氏は、激戦州の状況は「不透明」であり、ハリス氏の勝利は「確実と言うには程遠い」と主張。トランプ氏は、2016年と2020年大統領選の激戦州で、民主党と世論調査の「予想を遥かに上回る結果を残した」と指摘した。
さらに、ハリス氏は、2020年大統領選の民主党予備選で初戦を前に撤退したことや、バイデン氏の後継に指名された後、一度もインタビューや記者会見に応じていないこと、副大統領候補にまつわる議論など、今後問題視されそうな点を挙げた。
どの候補者にも「(好意的な報道が流れる)蜜月期間の終わりは来る」と述べ、今後の選挙戦はハリス氏が「必ず訪れる嵐をどう乗り切るかにかかっている」とした。
オバマ陣営のベテラン・ストラテジストも現在の「熱狂」に気を引き締めるべきだと語っている。
デビッド・アクセルロッド氏はCNNの番組で、民主党支持者はこれまで、今年の大統領選を絶望視していたため、「根拠なき熱狂が広がっている」状況だと説明。
「今はチャンスがあると感じている。しかし現時点では、間違いなくトランプが勝利する。トランプは、ほとんどの激戦州でリードしている。予測のつかない選挙戦だと思うが、現在はトランプにアドバンテージがある。民主党側はみな、そのことに冷静であるべきだ」と警鐘を鳴らした。