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文学泥棒 編集者になりすまし、有名作家らから未発表原稿数百点を不正入手

FBIは5日、著名な編集者になりすますなどして、文学作家らから出版前の原稿数百点を不正に入手していたとして、イタリア国籍の男、フィリップ・ベルナルディ被告(29)をJFK国際空港で逮捕、通信詐欺と個人情報窃盗の罪で起訴したと発表した。

ワシントンポスト紙は、ベルナルディ被告は、ロンドンの出版社サイモン&シュスターUKの従業員で、標的とされた人物には、世界的ベストセラー『侍女の物語』で知られるマーガレット・アトウッド、俳優イーサン・ホークが含まれていたと報じている。

発表によると、ベルナルディ被告が詐欺を始めたのは少なくとも2016年。作家エージェントや有名出版社のものと類似したドメイン名を取得した上で、これを使用したメールアドレスで、実際に存在する編集者になりすまして、作家らに連絡していた。

2020年には、米出版社の著名な編集者を名乗り、ピューリッツァー賞受賞作家に連絡。メールで近刊予定の原稿を送るよう要求し、これを信じた作家から、原稿を不正に入手した。

ドメインは「m」の代わりに「r」「n」を使用するなどして(続けると「rn」)、一見して間違いが発見されにくよう工夫。同様の方法で160以上のドメインを取得していた。

このほか、ニューヨーク市にある文学スカウト会社のデータベースにアクセスするため、同社のものを装ったウェブサイトを作成。同僚になりすまして、同社の従業員に、偽ページにユーザー名とパスワードを入力するようメールで連絡していた。ページに入力された情報は、自動的にベルナルディ被告が管理するメールに送信されるようにプログラムされていたという。

発表では、動機や原稿がどのように使用されたかについて、明らかにされていない。ニューヨーク南部地区検察局のマイケル・ドリスコル次官は、声明で「ベルナルディ被告は、他人の文学アイデアを自分のために盗もうとしたが、結局、逃げ切るのに十分なほど、クリエイティブではなかった」と述べている。

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