「タイタニックのよう」ジェームズ・キャメロン監督、潜水艇事故に言及

ABCニュースの番組で、今回の事故に関して、船体に亀裂が入り始めた時、内側に取り付けられたセンサーから、警告が発せられただろうと指摘。内部コミュニティーの間で、船は緊急事態に対応しようとウェートを落下させ、船体を上昇していたと理解していると語った。

さらに、「暴力的な事故だった」と述べ、潜水艇の設計が最も重要だと加えた。

タイタンの建造に使用されたカーボンファイバーの複合材は、かねてから深海の水圧に耐えられないとの指摘があった。キャメロン氏は、深海潜水のエンジニアらが過去に「乗客を運ぶには実験的すぎるため、認証を得るべきだ」とオーシャンゲート社に書簡を送ったこともあると明かした。

さらにタイタニック号の悲劇に例え、船長は、氷山に関する警告を何度も受けていたにもかかわらず、月明かりのない夜に全速力で進行し、氷河に激突し、多くの死者を出したと説明。その「類似性に衝撃を受けた」と振り返った。

オーシャンゲートの安全性に関しては、2018年に警告を発した従業員が解雇される出来事があった。海洋技術学会も同年、オーシャンゲートのラッシュ氏に、潜水艇に関して、第三者による安全性の審査を受けるよう書簡を送っていた。

キャメロン氏は、今回の事故で、友人のナルジョレ氏を失った。ナルジョレ氏はこれまでに35回のタイタニック号を探索した経験を持つ。

25年来の友人だと明かし、「極めて非現実的、ただ驚いている」「このような形で悲劇的に亡くなったことを、ただ受け入れることができない」と突然の別れを悼んだ。