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同僚を4時間暴行 殺害しようとした日本人大学教授 有罪認める

マサチューセッツ州で同僚の女性教員を殺害しようと暴行を加えた日本人女性が15日、9件の訴因について有罪を認めた。地元紙The Recorderが伝えた。

有罪を認めたのはマサチューセッツ州サウス・ハドリーにあるマウント・ホリヨーク大学で芸術を教えていたリエ・ハチヤナギ被告(50)。

被告は、60歳以上の人物に殺意を持って凶器により暴行した3件の罪と、3件の脅迫暴行罪、傷害罪、家宅侵入、各凶器に関連する脅迫暴行罪で起訴されていた。

検察によると、ハチヤナギ被告は2019年12月23日の夜、同僚の地学・環境学の教授、ローレット・サボイさんの自宅を、事前に知らせることなく訪問。サボイさんに気づかれるまで、物陰に隠れていた。サボイさんが誰かいるのかと尋ねると、姿を現し、自分の気持ちを告げたいと話した。

しかし、サボイさんが家の中に招き入れようと背を向けた瞬間、背後から襲撃。ずっと愛していたのを分かっていたはずだなどと責め立て、馬乗りになり、何度も暴行を加えた。サボイさんは顔面を複数カ所骨折したほか、刺し傷や切り傷を追い、大量に出血した。ハチヤナギ被告は、石や火かき棒、園芸用ハサミなどの凶器を使用した。

ハチヤナギ被告は暴行の最中、盲目にしてやる、死ぬ前に醜くしてやるなどと繰り返し罵ったという。暴行は4時間も続いた。サボイさんは、暴行をやめさせようと、愛しているふりをして、ハチヤナギ被告に通報するよう諭した。

ハチヤナギ被告は、駆けつけた州警察官にサボイさんを助けようとしたと説明したという。ただし、すぐに嘘がバレて逮捕に至った。

サボイさんは被害について、顔の神経を損傷した上に、指も満足に動かないと説明。不眠や悪夢、頭痛に悩まされていると述べた。医療費の一部は保険でカバーされなかったほか、事件以来ホームセキュリティーシステムを自宅に取り付け、セラピーにも通うようになったと金銭的被害も訴えた。さらに教員の仕事に復帰できず、事件の数カ月前に契約した書籍出版の話など、少なくとも30件の仕事の機会を逸したと説明。「仕事の昏睡状態の影響は破滅的」と語った。

量刑は20日の次回公判で言い渡される見通し。

検察は、殺人未遂に関する罪1件につき1~12年、脅迫暴行罪1件につき7~9年、傷害罪に10~12年および不法侵入に対する保護観察を求刑した。一方弁護側は、保護観察には同意したものの、その他の罪への刑期はそれぞれ5~7年が妥当と主張した。

ハチヤナギ被告の弁護士トーマス・ココノウスキー氏は法廷で、暴力行為は言い訳できないとしつつ、被告はサボイさんに対して「悪い側面」はなく、「美しく、愛に満ち、品のある人物」だと主張。犯罪歴はなく、犯行は仕事のストレスと失恋がきっかけになったのだろうと説明した。また、子供の頃に怒りの感情は恥だと教えられていたことから「怒りのコントロールに慣れていなかった。控えめに言っても、乱心状態だった」と弁護した。さらに、拘置所での被告の素行は周囲のリーダー的な役割を果たすほど模範的だとアピールした。

ホリヨーク大学のホームページ(現在は削除)によると、ハチヤナギ被告は最初、札幌から高校の交換留学生として渡米。カンザス州の田舎で暮らした。当初、英語でコミュニケーションが取れなかったことが、芸術的な表現へと向かうきっかけになったと記されている。最近は、日本の昔の製紙職人の話を、知識が消滅する前に収集、記録するプロジェクトを進めていたほか、伝統工芸の世界で滅多に語られることのない製紙における女性の重要な役割の歴史を明らかにしたいと考えていたという。

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