バンス氏演説で盛り上がる共和党全国大会。その頃バイデン氏は・・・。

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17日、3日目となった共和党全国大会では、トランプ氏がランニングメイトに指名したJ.D.バンス上院議員(39)が登壇し、受諾演説を行なった。

2016年にベストセラーになった「ヒルビリー・エレジー」でお馴染みの「忘れられた」白人労働者階級のルーツに繰り返し言及しつつ、バイデン氏を批判。

「4年生の時、ジョー・バイデンという名の経験ある政治家がNAFTAを支持した。数えきれない良い仕事をメキシコに送った悪しき貿易協定だ。高校2年生の時、同じ名前の経験ある政治家、ジョー・バイデンが甘い貿易協定を中国に与え、中産階級の製造業の雇用をさらに破壊した。高校3年生の時には、同じジョー・バイデンが、悲惨なイラク侵攻を支持した。その度に、オハイオにある私の小さな町、隣のペンシルベニア、ミシガン、全米の仕事が海外に奪われ、子供たちは戦争に送られた。・・・・ジョー・バイデンが台無しにし、私のコミュニティが代償を払わされた」。

「イラクからアフガニスタン、金融危機から大不況、開かれた国境から賃金の低迷まで、この国を統治する人々は失敗ばかりを重ねた。しかしそれは、ドナルド・トランプ大統領が登場するまでの話だ」と述べ、ラストベルトの諸州にダイレクトにアピールした。

「ドナルド・トランプは、失われたら二度と見つけられないかもしれないものを回復するアメリカの最後にして最大の希望の象徴だ。アメリカの仲間たちよ、この瞬間は私のことではなく、われわれ全員のことだ。われわれが誰のために戦っているのかということだ。なぜ現実離れした政治家たちが君たちの仕事を破壊したのか、疑問に思っているミシガンの自動車労働者のことだ。その手でものを作り、アメリカ人の職人技を誇りに思うウィスコンシンの工場労働者のことだ。なぜジョー・バイデンが大したことない独裁者から買い、勤勉なアメリカ人から買わないのか理解できないペンシルベニアとオハイオのエネルギー労働者のことだ」。

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若さも強調。

「ジョー・バイデンはわたしの一生よりも長くワシントンにいる政治家だ。半世紀にわたって彼はアメリカを弱く貧しくしてきたすべての主要政策の推進者だ」。

住宅危機やインフレの元凶を不法移民の問題に求めたほか、軍事支援をめぐっては「同盟国に世界の平和を確保する重荷を共有させる。アメリカの納税者の寛大さを裏切るフリーライドはもうなしだ。われわれの子供たちを必要な時だけ戦争に送る」と語った。

ただし、ウクライナ軍事支援への反対や全国的な妊娠中絶規制の支持といった自身の強行路線への言及は避けた。

民主党にとってはギフト?

バンス氏の指名はトランプ氏の支持基盤を広げるものではないとして、民主党にとって幸いとの指摘も上がっている。

世論調査分析サイトFiveThirtyEightの創設者ネイト・シルバー氏は、指名に先立ち、「バンスとルビオ、バーガム、ヨンキンの4人が最も可能性が高い。選挙人の目的に限って言えば、ヨンキンが最善の選択で、バンスが最悪だ」と指摘していた。

MSNBCの番組ホスト、レイチェル・マドウ氏は「J.D.バンス氏は広く知られた人物ではない」とし、勝利のチャンスを拡大するために全国的な中絶禁止を支持する議員を選ぶことはまずあり得ないと主張。バンス氏の異例の早さの出世を支えたのは共和党のメガドナー、ピーター・ティール氏であるとした上で、「J.D.バンスは郊外の女性の票を勝ち取るために選ぶ人物ではない。彼は不動票を説得できる人物でもない。J.D.バンスはアメリカの政治体制を変えるために招かれた人物だ」と意味深に語った

その頃、バイデン氏は・・・

撤退論の渦中にあるバイデン氏について、ホワイトハウスはこの日、新型コロナウイルスの検査で陽性判定を受けたと明らかにし、デラウエアの家で自己隔離すると発表した。バイデン氏が感染するのは2度目。

リーダーの残念な知らせに、CNNのジョン・バーンズ氏は神妙な面持ちで「今日は最悪な日だ」と心境を吐露。「一歩引いてこの状況を眺めてみると、つまりは強さと弱さだ。弾丸はトランプ氏を止めなかったが、ウイルスはバイデン氏を止めた。共和党の候補者はおだてられて、バイデン氏は自分の党によってやられている。民主党は分裂し、共和党は結束している。それが今起きていることだ。どこかの時点で、民主党は現実を直視しなければならない」と語った