ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は4日、ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)に開設する2つのターミナルの詳細を明らかにした。
工事開始は2020年で、ターミナルは1,2,7は解体され、南北2箇所に設置される新ターミナルは、2023年までに完成を予定。その他の改修、道路や複合施設の建設を含めると、最終的な完成時期は2025年になるという。
現在JFKの年間利用者数は6,000万人だが、2030年までには7,500万人へと増加。2050年には1億人の利用者を目指す。
130億ドルの巨大プロジェクト
今回の総工費は、130億ドル(約1兆4,300億円)と発表された。うち120億ドルは民間資金により賄われる。
ターミナル1,2に変わるサウスターミナルは、ルフトハンザ航空、エールフランス航空、大韓航空、日本航空(JAL)の4社で賄われた資金70億ドルで開設。
ターミナル7に変わるノースターミナルは、ジェットブルー航空の資金30億ドルで建設する。ジェットブルーは今回の工事で、12の国際ゲートを開設する。
10億ドルの公的資金を投じ、混雑緩和のための新たな道路を建設。港湾公社(Port Authority)は、ジャマイカから空港への移動手段であるエアトレインの定員数を2倍に増加すると発表した。
乗客は、ターミナル乗り換えのために、空港外に出る必要はなくなり、移動の利便性が向上する。
空港内は、再生可能エネルギーを使用する。小売店や飲食店、ラウンジ、子供たちが遊ぶスペースを設けるほか、無料WIFIも使用可能だ。
空港の設計は、RFPによるコンペで、モットマクドナルド(Mott MacDonald)とグリムショー建築(rimshaw Architects)が選ばれた。
遅延の解消は?
ニューヨークエリアの空港は、遅延率が高いことで有名だ。JFKでは、全体の便の約4分の1が遅延しており、全米の空港の中でワースト2位にランクインしている。(ワースト3位はニューヨークが独占している。)
年間1億人以上が利用し、世界で最も利用者数の多いアトランタ国際空港でも、遅延率は約17%程度に留まる。
遅延の問題に関し、ニューヨークタイムズは、今回の発表には、滑走路の追加や、航空管制システムの改善が含まれていないため、遅延は解消されないだろうと分析する。ただ、長時間飛行機を待つ環境は、少なくとも快適になるだろうと述べた。