米で絶大な人気をほこるポッドキャスターのジョー・ローガンだが、番組内で行った銃規制をめぐる発言が物議を醸している。
ローガンといえば今年、新型コロナのワクチンに関する言動が、無責任だとして非難が殺到。これを配信するスポティファイに抗議し、ニール・ヤングやジョニ・ミッチェルなど大物アーティストらがプラットフォームから離脱する事態に発展したことが記憶に新しい。
今回問題となったのは、24日にテキサス州の小学校で起きた銃乱射事件後、議論が再燃している銃規制に関する発言。事件では児童19人と教師2人が死亡し、アサルト銃の禁止などの厳格な規制を求める声が強まっている。
ローガンは番組「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」で、科学者でゲストのレックス・フリードマンとの対話中、銃乱射事件に触れ、「完全に最低な状況で、病んだ者が銃を手にとって子供達を殺そうと決意した」と話しつつ、「誰もどうやってこれを止めればよいのか知らない。何が答えか?みんなから銃を取り上げるのが答えだろうか?でも、みんなは銃を手放したりしないだろう。犯罪者だけが銃を持つことになるから。これは良い状況ではない」と主張した。
さらに「人々からすべての銃を取り上げ、政府にすべての権力を与えるのは賢明ではない」と論を展開。「武装した大衆にさえ、われわれは彼ら(政府)がいかにふるまうかわかっている」と述べ、政府には「全体主義的な傾向」があり、人民をコントロールする力が増せば「彼らにとって、いまやっていることがもっと簡単になる」と、銃の所有を擁護した。
ローガンの発言に、ポッドキャスターのジョン・メレンデスはツイッターで、「前にも言ったように、ジョー・ローガンは完璧な間抜けで、前大統領なみに露骨な愚か者だ」と投稿。「銃規制がワークしないというのは、ワクチンを打たずにイベルメクチンを飲むべきだと勧めるのと同じくらい馬鹿げている。このとんでもないバカに耳を傾ける人の気持ちが理解できない」と批判した。
2018年に起きたフロリダ州パークランド高校銃乱射事件のサバイバー、デビッド・ホッグ氏は、両事件の犯人はそれぞれ19歳と18歳で、合法的に銃の購入が可能になるのを待っていたと指摘。「ブラックマーケットに通じた犯罪人ではない」と反論した。
このほか「ジョー・ローガンはまたもや現実をまったく知らないステロイドモンキーであることを証明した。これが本当なら、厳しい銃規制のあるヨーロッパは地獄になっている」と政府をめぐる主張を批判する声も寄せられている。
ローガンは以前から同様の主張をしており、2013年にはツイッターで「この国には銃の問題を装ったメンタルヘルスの問題と、安全上の問題を装った専制政治の問題がある」と投稿している。