ポルノ女優に支払われた口止め料に絡む公判で、マンハッタンの刑事裁判所に連日出廷しているトランプ前大統領。審理中の態度について判事から指導を受ける出来事があった。
7日には支払いを受け取った当人、ストーミー・ダニエルズ氏が証言台に立ち、2006年にネバダ州レイクタホのホテルで過ごしたトランプ氏との一夜を赤裸々に語った。
The Hiillによると、トランプ氏は証言中、無表情を保ち、時々しかめっ面をしていた。弁護団に頻繁に何かを語りかけていたという。ニューヨークタイムズは、トランプ氏がメラニア夫人とは寝室を別にしていると明かした話に証言がおよぶと、トランプ氏は弁護士の方を向いて「Bull****」と呟いたと伝えている。
ファン・マーチャン判事は弁護士との協議で「現在あなたのクライアントが気分を害しているのは理解していますが、聞こえるように罵っています。見て分かるように頭を振り、侮蔑するかのうようだ。証人を怖がらせる可能性があり、陪審もそれを見ています」とトランプ氏の態度に苦言を呈したという。
弁護士のトッド・ブランチ氏は「彼に伝えます」と述べると、ファン・マーチャン判事は「そうしてください。私はあれに耐えられません」と答えた。
両者のやり取りは、裁判所が公開したトランスクリプトで明らかになった。
9日の尋問でトランプ氏の弁護団は、ダニエルズ氏は金銭が目的で、物語は「でっち上げ」と繰り返し主張したという。
報道によると、弁護士のスーザン・ネチェレス氏は「セックスにまつわるでっち上げの話をリアルだと思わせる経験がたくさんある」と指摘するなど、信ぴょう性を攻撃。一方、ダニエルズ氏はこれを否定し、「映画の中での性行為は非常にリアルで、部屋で起きたことと同じ」「(作り話にするなら)もっと良いものになるように描いただろう」「あなたは(物語が)変わったと言わせようとしているが、それは変わっていない」と反論したという。
ブランチ氏は同日、トランプ氏に対して「米国民に応える機会」を与えるべきだとし、公の場でダニエルズ氏について言及するため、「かん口令」の一部変更と、誤審を申し立てたが、判事はそれらを却下した。