世界一のニューヨークチーズケーキ「ジュニアズ」:知られざる歴史と魅力

8232
Junior's Restaurant&Cheesecake
©mashupNY

おいしいチーズケーキが世界的に有名なレストラン、ジュニアズ(Junior’s)は、ニューヨークを代表する老舗ユダヤ系デリの一つ。メニューの豊富さでも知られ、その数200点を超える。75年以上にわたってニューヨーカーに愛されるその魅力とは?歴史とともに紐解いてみる。

Junior's Restaurant&Cheesecake
©mashup NY

ジューイッシュ系デリ

創業者ハリー・ローゼン(Harry Rosen)がブルックリンに初号店を構えたのは1950年。パストラミやコーンビーフなどのジューイッシュ系デリのレストランとしてオープンした

「ニューヨークチーズケーキ」はもちろん、パストラミやコーンビーフをサンドしてグリルする「ルーベンサンドイッチ」、チキンスープにマッツォボールが入った「chicken in pot」など正統派ジューイッシュ料理で知られる。オーダーすると、きゅうりとビーツのピクルス、コールスローが添えられてくる。

Junior's Restaurant&Cheesecake
©mashup NY

ニューヨークチーズケーキ

チーズケーキのレシピは、1960年にパン職人のアイゲル・ペーターセン(Eigel Petersen)とハリー・ローゼン氏が開発した。濃厚でクリーミーな味わいを出すため、フィラデルフィア・クリームチーズを使用している。現在も昔ながらのレシピを守り、コーシャ(ユダヤ教の規定に基づく材料と製法)で作り続けられている。

Junior's Restaurant&Cheesecake
この日はライムの酸味が爽やかなキーライム・パイ・クリームチーズケーキをいただきました。©mashup NY

雑誌ニューヨークマガジンの1973年の特集「チーズケーキオリンピック」では、ニューヨークで第1位を獲得している

Advertisement

映画のロケ地に

2008年公開の映画『セックス・アンド・ザ・シティ』のロケ地に使用された。シティホールで友人たちだけの結婚式を終えたキャリーとビッグ、フルキャストが揃ってアットホームな食事をするシーンは、ジュニアズで撮影された。

ラッパー、L.L.クール J (LL Cool J)のヒットソング「Doin’ It」のプロモーションビデオにも登場する。単なる有名レストランではない、ブルックリンのカルチャーアイコンであることが窺える。
https://www.youtube.com/watch?v=OqEksaLoZYQ

創業地が「チーズケーキ」通りに

ローゼン氏が他界した3年後の1999年、当時のニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ氏は、その功績を称えてフラットブッシュ・アベニュー・エクステンションと、デカルブ・アベニューの角を「ハリーローゼン通り、チーズケーキコーナー」(Harry Rosen Way – Cheesecake Corner)と命名した。

Junior's Restaurant&Cheesecake
©mashup NY

大統領や歴代のNY市長や知事も来店

オバマ大統領や、クリントン夫妻、歴代の知事や、マイケル・ブルームバーグなど歴代のニューヨーク市長もジュニアズを訪れた。

2017年にブロードウェイに大型レストランをオープンした際は、デブラシオ市長がテープカットに駆けつけた。

そのほかにも、店内には様々なセレブリティや政治家との写真が飾られている。ニューヨークを訪れた際は、ぜひ創業の地、ブルックリンの本店に足を運んでみてはいかがだろうか。

Junior’s Restaurant&Cheesecake

場所:386 Flatbush Avenue EXT,Brooklyn, New York 11201 地図
営業時間:日–木: 6:30 am – 12 am、金・土: 6:30 am – 1 am
マンハッタンにはタイムズスクエアに2店舗(45th Stと49th St)。
公式サイト