米大統領選 「弾劾裁判で会いましょう」撤退表明のカマラ・ハリス議員 トランプ氏へメッセージ

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3日朝に民主党の公認指名争いから撤退を表明したカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)は、トランプ氏のツイートに応戦し、「心配に及びません。大統領。裁判でお会いしましょう。」とメッセージを送った。

ハリス氏撤退を知ったトランプ氏は、「大変残念だ。寂しくなるね、カマラ。」とツイートしていた。

現在下院では、トランプ氏が職権を乱用し、ウクライナ大統領に、会談や軍事支援の見返りに政敵のジョー・バイデン前大統領への調査を要求した疑いがあるとして、弾劾調査を進めている。下院で訴追決議が成立した場合、上院で弾劾裁判が実施することとなり、ハリス議員は「陪審員」の一人となる。

選挙資金が不足

ハリス氏は支持者に対し「私の大統領選キャンペーンは、端的に言うと継続するための経済的資源がない」と、資金不足が断念の理由と説明。「私はビリオネアではない。私は自前で選挙資金を賄うことはできない。キャンペーンが進むにつれ、競争に必要な資金を集めるのが難しくなっていった」と語った。現在、11月に出馬表明したばかりのマイケル・ブルームバーグ氏やトム・ステイヤー氏は、潤沢な自己資金を投じてテレビCMキャンペーンを大々的に展開している。

ニューヨークタイムズは「最も驚くべき展開」と報じるなど、一時、バイデン氏やサンダース氏、ウォーレン氏に迫る有力候補として注目されたハリス議員の突然の撤退は驚きを持って迎えられた。

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同紙によると、ここ数カ月、ハリス氏のオンラインのファンドレイジングはペースが鈍り、大口の寄付者が他候補につく傾向が強まっていた。ハリス氏は、調達金1ドルにつき、1.41ドルを費やしたといい、数百万ドルを失ったという。オンラインやテレビCMは中断しており、選挙スタッフも削減した。

ハリス氏は「もはや大統領選には出ないが」と述べつつ、「ドナルドトランプを倒すために力の全てを尽くし、国の将来とわれわれが体現する最良のもののために戦う」と語りかけた。

vs 金持ち候補者

ハリス氏撤退の前日、ABCニュースに出演したエイミー・クロブシャー上院議員は、金持ち候補者や資金の問題について語った。

クロブシャー氏は「昨晩テレビを見ていたら、2人のビリオネアの広告だらけだった」と述べ、「緒戦州にいない多くの人が、候補者は2人だと思うに違いない」と、ブルームバーグ氏とトム・ステイヤー氏について言及。「残りのわれわれにはこのように広告を打つ資金がない」と語った。

続けて「単に金持ちがやってきて選挙を買収するのを許可することはできない。それはこの国ではない」と問題を指摘。「アメリカは、ホワイトハウスにいる人物を見て、もっとリッチな人を見つけようと言うようには思わない」と語った。

ブルームバーグ氏の支持が拡大

先月24日に出馬を表明したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は、市長時代と同様、寄付は受け付けず、キャンペーンは自己資金で賄うと発表している。ブルームバーグ氏は世界有数の資産家で、純資産は500億ドル以上(5兆4,000億円)といわれる。

11月中旬に、オンライン広告に1億ドル(約108億円)を投じることが報道されたほか、出馬の数日前にテレビ広告枠を3,100万ドル(32億4,000万円)で購入したことを、複数メディアが報じていた。

出馬後初めてとなる、2日発表の世論調査の結果では、ブルームバーグ氏は、過去5回の討論会に出ていないにも関わらず、支持率で5位を獲得した。モーニングコンサルトの調査では5%でハリス氏と並び、Hill-HarrisXの調査では6%で5位。ハリス氏の支持率は2%に後退していた。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。