バイデン氏の選挙撤退後、後任に指名されたカマラ・ハリス副大統領に、民主党支持者からの期待が急速に高まっている。
過去数日間で寄付金が1億2,500万ドル(約195億円)を超えるなど、民主党にとって明るい話題が続いているが、一方のトランプ陣営は、「最もポジティブな報道を獲得できる蜜月期間」はそう長く続かないだろうと見ている。
トランプ氏の政権移行チームのメンバーで、メディア戦略を専門とするブライアン・ランザ氏はCNBCの番組で、「ややシュガーハイ」の状況だと主張。「有権者は今後、彼女の実績や、国内で起きたアフォーダブル・クライシス、4年間の稼ぎが吹き飛んだインフレを引き起こしたジョー・バイデン・エコノミーの副操縦士であったことにフォーカスし始めるだろう」と語った。
「彼女は良く知られており、リブランドはない」「実績で行き詰まっている。それこそがバイデン氏が選挙にとどまるか撤退するか何ヶ月も検討していた理由だろう」と、ハリス氏の”イメチェン”は困難との見方を示した。
「サンフランシスコの価値観を米国に持ち込もうとするカマラは、完全にメインストリームから外れている。彼女が強いのは、党の結束を示すため、最もポジティブな報道が出る来週となるだろう。弱点は、間違いなく副大統領としての実績だ。国境を完全に崩壊させ、800万人近くの不法移民がこの国に流入する結果を招いた。聖域都市の地区検事長で、犯罪を犯している不法移民を基本的に野放しにしていた」と語った。
ランニングメイト選びでも、状況は変わらないと指摘。オバマ氏やカーター氏、クリントン氏と比較しても「100年の中で最もリベラルな候補者」であり、「副大統領候補が彼女を中道寄りにすることはない」「副大統領候補が歴史的に、票を動かす役割を果たしたこともほとんどない」と主張した。
「デュカキス対ブッシュ」の再来予想も
保守系シンクタンク、マンハッタン研究所のシニアフェロー、ジェームズ・ピアーソン氏はThe New Criterionへの寄稿で、1988年にマサチューセッツ州のマイケル・デュカキス知事とジョージ・H・W・ブッシュ副大統領が争った大統領選に言及。
デュカキス氏は7月の民主党大会後、17ポイント差でブッシュ氏をリードしていたが、「現実知らずのリベラル、米国自由人権協会(ACLU)の正会員、増税を企てる犯罪に甘い知事、外交政策の経験に乏しい」点を攻撃され始めると、支持が崩れ始めたと説明。9月中旬には7ポイントのリードを許し、最終的にブッシュ氏に40州を奪われ、記録的な大敗を喫した。
ピアーソン氏は「蜜月は長くは続かない。トランプは、ハリスを浮世離れしたサンフランシスコの左翼として描くことに成功するだろう」と主張。
「今の高揚感は徐々に薄れ、トランプは6ポイント(49%対43%)差で選挙に勝利し、激戦州すべてと民主党寄りのバージニア州、ミネソタ州、ニューハンプシャー州を含む339の選挙人を獲得するだろう。共和党は上院で3〜4議席、下院で20議席を獲得。両院で安定多数になるだろう」と予想した。