NY州 女性知事が初勝利、住民の分断に課題 米紙

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8日に行われたニューヨーク州知事選で、現職のキャシー・ホークル知事が当選を果たした。同州の知事選で、女性が勝利するのは今回が初めて。

ホークル氏は昨年8月、セクハラ疑惑で任期途中で辞任に追い込まれたクオモ氏の後を引き継ぎ、副知事からニューヨーク州初の女性知事に就任していた。

対抗馬のリー・ゼルディン下院議員(共和党)は、トランプ氏からエンドースを得ており、治安の改善を焦点に据えた選挙キャンペーンを展開した。選挙直前にホークル氏を追い上げ、一部では、20年ぶりの共和党知事の誕生の可能性もささやかれた。

対するホークル氏は、当初は中絶の権利の保護に重点を置いたものの、終盤になって、犯罪対策に争点を変更。さらにトランプ氏とゼルディン氏の関係を強調したCMを流すなど、ネガティブキャンペーンを展開した。テレビ広告を大量に放送し、選挙活動に費やした資金は、5,000万ドルに達したとも伝えられている。選挙1週間前には、バイデン大統領やハリス副大統領、クリントン夫妻がニューヨーク市内の応援演説に駆けつけ、テコ入れを行った。

8日夜遅くに、ホークル氏が勝利を確実にしたと報じられた。これを受けて、ホークル氏は勝利宣言を行った。一方、ゼルディン氏は深夜近くに、ミッドタウンのキャンペーン会場に姿を現し、十分な集計が進んでいないとして、この時点での敗北を認めない考えを示した。

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会場にいた支持者の1人は、デブラシオ前市長がホームレスのシェルターをクイーンズの自宅近くに開設したため、ナッソー郡に引っ越しを余儀なくされたと話した上で「今日ホークルに票を投じた人々は、高い犯罪率や、保釈金なしの司法制度、高い税金、無法状態、警察の予算削減に賛成したということだ。彼女は、クオモが何年もやってきたことと何ら変わらない」と語気を荒げた。ゼルディン氏の地元、ロングアイランド出身の男性は「今回の結果に落胆しているが、下院を取り戻したことに満足している。希望は常にある」と語った。ドミニカ共和国出身の男性は「敗北したが、変化のきっかけにはなる」と述べた。

9日午前の開票率は93%で、両差の差は5%になっている。

ニューヨークタイムズは今回の選挙を「30年間で、最も僅差」と伝えた。ロングアイランドなどの郊外や、ニューヨーク市内のユダヤ人やアジア人コミュニティの一部が、ゼルディン氏への支持を表明しており、選挙によって「深い亀裂と不満を浮き彫りにした」と分析。住民の分断が、ホークル政権の課題になるとしている。

民主党の政治ストラテジスト、クリス・コフィー氏は、ホークル氏は今後「彼女の実際の立ち位置、いささか常識のある、穏健派の民主党員」になると予想。一方で、州議会上院の進歩派との対立を生じさせる可能性があると同紙に語っている。

Mashup Reporter 編集部
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