ニューヨーク市クイーンズ区の検事長民主党予備選では25日、再集計が終了した。
複数の報道によると、メリンダ・カッツ(Melinda Katz)氏(53)が、ティファニー・カバン(Tiffany Cabán)氏に60票差でリード。選挙委員会は最終結果を公表していないが、カッツ氏は勝利宣言を行なった。
カッツ氏は声明で「私が長年仕えてきたこの地区の人々が、本日、我々に勝利をもたらしてくれたことを誇りに思う」と述べ、「クイーンズ区に暮らす家族のために仕事を継続し、公平と平等を確実なものとしつつ、この地区の人々の安全を守る真の刑事司法改革につながる重要な仕事を開始することを心待ちにしている」と語った。
28年間検事長を務めた故リチャード・ブラウン(Richard Brown)氏の後任を決定する11月の本選挙を前に、民主党候補を決定する予備選は6月25日に投開票が行われたが、結果が僅差であったことを理由に、同選挙としては初めて手動による再集計が行われていた。
現職のクイーンズ区長であるカッツ氏は、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事や労働組合、有力政治家が推薦。一方、国選弁護人であるカバン氏は、バーニー・サンダース上院議員や、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員など進歩派が支持を表明しており、エスタブリッシュメントVS.プログレッシブの戦いとして全米の注目を浴びた。
6月25日、99%開票が進んだ時点で、カッツ氏に1,100票差をつけたカバン氏が勝利宣言を行った。プログレッシブの波が歴史的な転換をもたらしたと各メディアが報道した。
しかし、今月初め、不在者投票と宣誓投票(affidavit ballots、投票所に氏名がなかった場合に記載する投票用紙)の集計を合わせた結果、カッツ氏が16票差でリードし、勝利が逆転。僅差を理由に、約9万票の再集計が行われることとなった。
再集計の結果、カッツ氏が勝利宣言をする一方、カバン氏は25日、「すべての有効票が確実にカウントされるまで、皆さんに寄り添い戦い続ける」と、戦いを継続する意向を表明した。
カバン陣営は再集計の前、委員会が114票の宣誓投票を無効にしたのは誤りだと主張。同問題について、クイーンズ州ジャマイカの州最高裁判所で審議が行われることとなった。
Politicoによると、現在、カバン陣営が誤りだとする数は114票より増えており、これらには他の投票方法によるものや、再集計中にはじかれたものが含まれているという。
裁判所による次回の審議は、8月6日を予定している。