ニューヨークに押し寄せる難民申請者が制御不能になっているとして、レディー・ガガの父親が、市長や市議会議員らに対応を求めた。
ジョー・ジャーマノッタ氏は、マンハッタンのアッパーウエストサイドに35年間居住しており、2012年にはイタリアンレストラン「ジョアンナ・トラットリア」を開業した。
約1ヶ月半前、同地区にあるアメリカンミュージカル・アンド・ドラマティックアカデミー(AMDA)の学生寮が突如、シェルターとなり、約500人の移民が入居した。
計画は秘密裏に進められたようで、寮の生徒は、2週間前に退去を求められた。近隣住民への事前告知もなかったという。ジャーマノッタ氏はニューヨークポスト紙の取材に、まるで「ステルス作戦」だったと述べ、「すべてが急速に」変化したと語っている。
部屋が窮屈なためか、夜間に路上でパーティーが開かれているという。やじを飛ばされた子供がいたほか、売春婦が出入りするのを目にしたり、オートバイや電気自転車の危険運転が増加していると明かした。路上にゴミが散乱し、注射針なども見つかるなど、住民の生活の質は大きく低下したという。
近隣は「乗っ取られた」と主張。もし子供が成長期であれば、ここには住まないだろうと語っている。
ジャーマノッタ氏はさらに、多額の契約金を得るために、近隣住民を「売った」として、AMDAを非難。市民の住居建設に利用できる資金を、移民のために費やしているのは「ジョーク」だとしている。
同氏は、アッパーウエストサイドの理事を務めており、近隣住民らと「ウエスト70ストリート協会」を発足。警備と移民の監視をより強化するよう、市へのロビー活動を行っている。
移民の受け入れ費用は1日14億円
ABCニュースによると、2022年春以降、ニューヨーク市で受け入れた難民申請者の数は約10万人となり、1日にかかる費用は、約980万ドル(14億円)に達するという。
これまでに200箇所以上の緊急避難場所が開設され、55,000人以上がシェルターで生活を送っている。
市長は、今後3年間で必要な費用は120億ドル(約1.7兆円)と試算しており、1年間で70億ドル(約1兆円)の追加予算が必要になると明かした。
中国からの移民が多いブルックリンのサンセットパークでは先週、難民申請者の増加により、施設や公園へのアクセスが拒否されたとして、抗議集会が行われるなど、住民から反発の声が上がっている。