27日に開催された第94回アカデミー賞授賞式で、俳優のウィルスミスがプレゼンターをステージ上で平手打ちした問題で、舞台裏ではロサンゼルス市警察が逮捕の準備をしていたことがわかった。授賞式のプロデューサーのウィル・パッカー(Will Packer)氏が、米ABCの「グッド・モーニング・アメリカ」のインタビューで明かした。
パッカー氏は、ロス市警は「スミスを逮捕する準備をしていた」が、クリス・ロックが逮捕に「否定的」だったと説明。「暴行罪というのが彼らがその瞬間に使用した言葉だった」と振り返り、当局者らが「彼を捕まえる。準備は整っている。今すぐに拘束する準備ができている。告発可能だ」と話したと明かした。一方、クリス・ロックは「いいえ、大丈夫。ダメダメ」と逮捕を否定したという。
ショー開催の夜、ロス市警は声明で、ウィル・スミスとクリス・ロックの間に起きた事件について「捜査機関が認識している」とした上で、「当事者が被害届の提出を拒否した」と発表。「当事者が後日届出を希望する場合、ロス市警は捜査報告書を完成することができる」と述べた。
パッカー氏は当日、ウィル・スミスと直接話をしていないと語った。
映画芸術科学アカデミーは30日、ウィル・スミスに対する懲戒処分手続きを開始したと発表。さらにショーの開催中、ウィル・スミスに退席を求めたが、拒否されていたことを明らかにした。
一方、TMZは同日、パッカー氏は、ウィル・スミスに「われわれは、去ってほしくない」と述べ、授賞式に止まるよう引き留めたと報じている。
なおクリス・ロックはこの日、ボストンで開催されたコメディ・ショーで、初めてオスカーでの出来事に言及。「えーっと、週末はどうだった?」とファンに問いかけ、会場を沸かせつつ、「まだ頭の中で整理している感じだ。いつか話すと思うけど。真面目な話になるかもしれないし、面白い話かもしれない」と多くを語らなかった。ウィル・スミスとはその後、言葉を交わしていないという。