18日、日曜日の各社の報道番組には、様々なゲストが出演し、景気後退の見通しにについて議論を交わした。
先週、米債権市場では、長期国債の利回りが短期利回りを下回る逆イールド現象が発生した。逆イールドは過去、景気後退の前に観測されていることから、市場に警戒感が広がった。同日、NYダウは800ドル安と今年最大の下げ幅を記録した。
Fox News Sundayに出演したラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、「リセッションはまったくみられない」と述べた。減税、大幅な規制緩和、エネルギー市場の解放、貿易改革などの「トランプ政権の成長プログラムは成功しており、変えるべきではない」と見解を語り、「楽観的観測を恐るべきではない」と主張した。また、中国との貿易交渉、NAFTAに変わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)、EUへの牛肉輸出を巡る問題、日本との農業分野における貿易交渉が前進しているとして、追加的な景気対策は必要ないとの見解を示した。
クドロー氏はNBCのMeet The Pressにも出演し、低失業率と賃金上昇、良好な消費者信頼感を強調し、「2019年後半の経済はとても好調だろう。景気後退も考えられない」と語った。
クドロー氏は2007年にも楽観的な見通しを述べ、景気後退を否定していた。この点について聞かれると「これについては罪を認めます」と率直に語った。
ピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)はABCのThis Weekで同様に楽観的な見方を強調した。ナバロ氏は、過去20年間ビジネスのサイクルと株式市場予測を行なってきた経験があるとし、「確実に言えることは、2020年以降も強い経済になるということだ」と主張した。
政権高官が景気後退の観測を退ける一方で、民主党の大統領選候補者らは対立的な見解を述べた。
米中西部インディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長は、CNNで、おそらく景気後退になるだろうと語った。一方で、景気拡大局面でも多くの市民が進歩できないことが大きな問題だと述べた。中国製品の追加関税による商品価格の上昇や、米農産物の中国の輸入停止に言及しつつ、「大統領がこれに十分に配慮していないことは明らかだ」と語った。
ベト・オルーク元下院議員はNBCで、「大統領が世界経済と米経済を景気後退に追いやることを懸念している」と述べ、ブティジェッジ市長と同様、政権の対中政策を批判した。
「大統領が仕向けた中国との現在の貿易戦争は、うまくいっていない。政府援助や支出を望んでいない全国の農家を地獄に追いやっている。彼らは自ら育てたもので利益を得たいだけなのだ」と語った。