ツイッターの買収が決定したイーロン・マスク氏は4日、「みんなの情報アクセスをコントロールするこれらの組織に資金を提供しているのは誰だろうか?調べてみよう」とコメントをつけて、CNNの記事のリンクをシェアした。
記事は、米国のNPOなど26団体が、ツイッターの大手広告主に送った書簡に関するもの。これら団体が連名で、マスク氏がコンテンツの規制を緩和する場合、ツイッターをボイコットするよう、コカ・コーラやディズニー、クラフトといった「国内最大のブランド」に求めたと報じている。
団体には、ブラック・ライブズ・マターやウーマンズ・マーチといった、抗議活動のオーガナイザーとして一般に知られる組織の名前も含まれている。
書簡では「マスク氏のマネジメントの下で、ツイッターは誤情報の肥溜めになる危険がある」「最大の広告主として、ヘイトや過激主義、健康分野の誤情報、陰謀論者を増幅させるプラットフォームと関連づけられるリスクがある」と警告。大手企業に対して、契約に際し、ポリシー違反で凍結された「公人や政治家」のアカウントを復活させないことや、アルゴリズムの「責任の確保」、研究者らのアクセスなど、透明性に関する取り組みの継続を条件として求めるべきだと主張している。
マスク氏が、買収完了後に凍結されたアカウントを復活させるか不明だが、本人は「言論の自由の絶対主義者」を自認しており、以前からプラットフォームのコンテンツモデレーションに懐疑的な姿勢を示している。取引成立後には、ニューヨークポスト紙に対する制限措置をめぐって、幹部を批判するなどして話題になった。
マスク氏のツイート後、英紙デイリーメールは、運動の背後にジョージ・ソロス氏の財団、クリントン氏やオバマ氏のスタッフ、ヨーロッパの政府が関係していると報じた。
同紙によると、書簡に名前のある「ACCOUNTABLE TECH」は、トランプ氏に納税申告書の開示を求めた2017年の抗議行動「タックス・マーチ」の創設者、ニコル・ギル氏のほか、ヒラリー陣営の元外交政策報道官やオバマ氏の元シニアアドバイザーの甥が率いている。税務上501(c)(4)と呼ばれるクラスに分類される組織で、資金提供者らの情報の開示を求められず、実際に寄付者のリストを公開していない。
「Media Matters For america」はメディアの監視団体。創設者でジャーナリストのデイビッド・ブロック氏は、2016年ヒラリー・クリントン陣営を支援する特別政治委員会を設立している。
「CENTER FOR COUNTERING DIGITAL HATE」は、労働党の元幹部Imran Ahmed氏が率いる英国の組織で、ワシントンD.C.にもオフィスを拡大しているという。
「Access Now」は2009年のイランの大統領選挙に際して立ち上げられた組織で、現在は世界中にオフィスを構えている。スウェーデン国際開発協力庁、ジョージ・ソロス氏のオープンソサエティ財団、デンマークやドイツ、オランダ、カナダ政府が多額の資金を提供しているという。