仏高級ブランド複合企業「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」(LVMH)は、米ジュエリーブランド、ティファニー(Tiffany & Company)を、162億ドル(1兆7,650万円)で買収することで合意したと発表した。買収金額は当初の1株あたり120ドルから、135ドルへと引き上げられた。
ニューヨークタイムズによると、高級ブランド部門では史上最高の買収額となる。同紙は今回の買収が、ティファニーにとって中国および欧州における拡大を助けると同時に、LVMHグループにとっては米国における大きな足がかりになると報じている。両社の買収契約は2020年半ばまでに完了する予定だという。
1837年創業のティファニーは、全世界で300店舗を展開する。近年は中国人観光客の支出の減少や、米中貿易戦争、香港での抗議活動などの影響を受け、売上は減少傾向にあったが、2019年の第3四半期の売上は11%増となっていた。
LVMHは、ディオールやジバンシー、フェンディのほか、ブルガリやショーメ、フレッド、タグホイヤーなどの宝飾品・時計ブランドや、ドイツのスーツケースブランド、リモワ(Rimowa)などを傘下に持つ。昨年高級ホテルチェーンのベルモンド(Belmond)を26億ドルで買収。今年5月には、歌手リアーナと新ブランド「フェンティー」(Fenty)を立ち上げると発表している。