共和党トップのミッチ・マコーネル上院院内総務は9日の記者会見で、先祖の中に奴隷を所有していたの人物がいることと、奴隷制補償に関する考えについて聞かれ、「オバマ大統領と同様の立場だ」と答えた。
NBCは8日、1800年代の国勢調査をもとに、マコーネル議員の曽祖父と曽祖母両方の父親がアラバマ州で計14人の奴隷を所有していたことを報じた。
マコーネル議員は「またオバマ大統領と同じ立場にいることがわかった。我々はともに奴隷制補償に反対している。二人とも奴隷主の子孫だ」と記者団に語った。
奴隷制補償については、シェイラ・ジャクソン・リー下院議員が今年一月に提出した法案の中で、黒人奴隷制度や差別の影響を検討し、補償の提案を行う委員会の設置を求めている。また、上院ではコーリー・ブッカー議員(民主党)が4月に同様の法案を提出している。
奴隷制時代に遡って補償を検討するか否かは、大統領選の議題としても注目されている。民主党候補者の中では、コーリー・ブッカー議員のほか、カマラ・ハリス上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員、ジュリアン・カストロ元住宅都市開発長官はなんらかの補償が必要との見解を示している。また、バーニー・サンダース議員は、大統領になった場合に署名する意向を明言している。
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マコーネル議員は6月、法案に関する下院司法委員会の公聴会を前に「現在暮らしている我々は誰も責任がない」と反対を表明していた。同氏は加えて「我々は南北戦争を戦い、画期的な公民権法を成立させることで、奴隷制という原罪に対処してきたのだ。我々はアフリカ系アメリカ人の大統領を選出した。」と語っていた。
バルティモア・サンは2007年の記事で、オバマ前大統領の祖先が奴隷を所有していたことを報じている。