米国の管理職の男性60%が、女性社員にマンツーマンで指導したり、打ち合わせを行ったりすることに、気まずさを感じていることが分かった。
LeanIn.orgとSurveyMonkeyが実施した調査によると、特に上級管理職の割合が増加しており、2018年の34%に比べ、14%増の48%となった。
映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクハラ事件をきっかけに、社会現象を巻き起こした#Metooや#timesupムーブメント以降、男性社員の意識が変化したことが明らかとなった。
調査結果によると
- 全男性社員の36%が、女性からどう見られるかについて、神経質になっているとして、指導や面談を意図的に避けたことがあると回答。
- 上級管理職の男性が、若手女性社員とのマンツーマンの面談を躊躇する割合は、若手男性社員との面談に比べて12倍。
- 上級管理職の男性が、女性社員と出張するのを躊躇する割合は、男性社員に比べて9倍、女性と食事に行くのを躊躇する割合は6倍となっている。
#MeTooが影響?
キム・エルセッサー(Kim Elsesser)氏はフォーブス誌に、男性社員が女性を避ける理由に関する調査結果を寄稿。セクハラ問題への恐れや、フレンドリーさが誤解を招くこと、周囲の目、配偶者やパートナーへの配慮、同性の方が気楽であることを挙げた。
エルセッサー氏は、LeanInの調査結果について、科学的な正確さに関しては明らかではないとしながらも、NYタイムズが#MeToo前に実施した調査では、22%の男性が、女性とマンツーマンで面談を行うことに消極的であるということから、#MeTooは状況を悪化させているようだと述べた。
LeanIn.orgの創業者でFacebookのシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)COO(最高執行責任者)は、CNBCの番組「Squawk on the Street」でLeanInの調査結果に触れ、「到底許されるべきことではない。」と述べ、「女性、特に有色人種の女性は、男性と同様の指導を受けていなかった。マンツーマンの会議がなければ、昇進することもできない。」と批判した。
さらにセクハラに関して「職場でハラスメントがないことは重要であり、極めて基本的なことだ。そして、蔑ろにされることがあってはならない。」と述べた。
またLeanIn.orgのレイチェル・トーマス(Rachel Thomas)代表はCNBCで、男性が幹部クラスを独占する組織では、セクハラが発生する確率が2倍になると指摘。リーダー職に、多くの女性や有色人種、LGBTQの人々を起用すべきだとし、そのことで職場環境はより安全かつ強固なもとのなると述べた。
LeanInの調査では、70%の雇用主はセクハラの申し出に対して何らかの対応を行ったと回答しており、昨年に比べ46%増となった。しかし半数の従業員は、セクハラへの罰則規定が十分でないと回答している。