マンハッタンで今月、路上で寝ているホームレスを刃物で襲う事件が相次ぎ、1人が死亡、2人が負傷した。ニューヨーク市警察は、事件に関連する男の顔写真を公開し、情報提供を呼びかけている。
ニューヨークポスト紙によると5日、ハドソンリバーパークのベンチで寝ていた34歳の男性が、刃物で襲われた。警察官が午前4時半ごろ、腹部に深い切り傷を負った男性を発見。病院に搬送されたが、死亡が確認された。
8日には、ミッドタウンのイースト49ストリートとマディソンアベニュー付近のベンチで寝ていた59歳の男性が腹部を刺された。男性は病院で手当てを受け、容態は安定しているという。
11日には、イースト96ストリートとFDRドライブにあるスタンリー・アイザックス公園でバスケットボールコート近くにいた28歳の男性が刺された。情報筋によると、男性は殴られたと思って目を開けると、刃物を持った男が目の前に立っていたと話している。男を追いかけたが、刺されたことに気がつき、自ら警察に通報した。命に別条はないという。
ニューヨークでは3月にも、ホームレスを狙った銃撃事件が起きた。この事件で、ワシントンD.Cとニューヨークで、合計5人のホームレスを殺傷したとして、30代の男が殺人罪で起訴された。
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ニューヨークのエリック・アダムス市長は、ホームレスの安全を確保するため、野営地からの立ち退きを命じ、シェルターへ移動させる対策を行っている。ニューヨークタイムズによると、市は3月下旬から6月1日までに、1,100カ所以上の野営地を撤去したという。ただしホームレスの中には、シェルターよりも路上の方が安全だと考える人々も多く、市の対策に不満を抱いていると伝えている。