マンハッタンの家賃相場が再び新記録に達した。
CNBCが不動産コンサルティング会社ミラー・サミュエル・ダグラス・エリマンの報告を元に伝えたところ、7月の平均家賃は月額5,588ドル(79.75万円 1ドル=142.72円)となり、過去最高を記録した。前年同期にくらべて9%の上昇だという。中央値と1スクエアあたりの家賃はそれぞれ4,400ドル/月、84.74ドル/月で、ともに最高となった。
最高記録を上回るのは、過去5ヶ月間で4度目だという。
ミラー・サミュエル氏は、新学年を前に引っ越しする家族の需要が高まる8月はさらに上昇すると予測を示している。
人口減少も賃貸物件が不足
マンハッタンはパンデミックの間に人口が最も流出した都市の一つとされ、2020年7月から1年間で11万1,000人を失った。その後1年間で約1万7,000人増加したものの、2019年の水準には回復していないとみられている。
人口減少に反して家賃が上昇を続ける背景について、金利上昇による購入希望者の買い控えが賃貸物件不足を招いているといった点が挙げられている。さらにブローカーらは、Airbnb物件の増加や市の規制にも一因があると指摘している。
ニューヨーク市では、テナント保護のために毎年の家賃上昇を制限するプログラムがあり、これによって数千戸が市場から消えているという。家主の間では、規制対象の老朽化したアパートの改修が不採算になったとする主張があり、空き家にしたままの物件も多いという。
そろそろ限界かも
サミュエル氏は、実際のところは賃貸アパートの在庫は7月に11%増加しているが、新規契約数は昨年に比べて6%減少していると指摘。「在庫の増加と契約の減少は、マンハッタンの賃借人がついに経済的限界に達した可能性があることを示唆している」と、家賃の上昇は天井に達しつつあるとの考えを示した。