10日(火)と11日(水)に議会委員会で証言を行うFacebookのマークザッカーバーグ最高経営責任者の証言原稿が、公開された。
ザッカーバーグ氏は原稿で、自身の過ちと責任を認め、謝罪するとともに、ケンブリッジアナリティカとロシアによる選挙介入の問題で、Facebookが利用された経緯と再発防止に向けた具体的取り組みについて説明している。
原稿は11日の下院エネルギー・商業委員会での証言のために作成されたもので、冒頭で、Facebookの社会に及ぼすポジティブな側面について言及。#metooムーブメントや、フロリダの銃乱射事件に端を発した「March For Our Lives」に触れ、Facebookが人々をつなげ、様々な声を届けられることや、コミュニティやビジネスの形成に役立つツールであることを強調した。
その後、ケンブリッジアナリティカ問題で明らかとなったデヴェロッパーによるデータプライバシー侵害やフェイクニュース、選挙介入といった証言のきっかけとなった問題について、十分な防御を行なってこなかったことを認め、「これは私の過ちであり、お詫びいたします。ここで起きた問題は、Facebookをスタートし、運営してきた私に責任がある」と反省の意を表明した。
続いて、ケンブリッジアナリティカとロシアによる選挙介入でFacebookがどのように悪用されるに至ったか具体的な説明を行い、各問題について再発防止に向けどのような取り組みを行なっているのかを明らかにした。
取り組みとして、アプリ開発者によるユーザーデータへのアクセス権限や範囲などの制限を強化することや、過去に膨大なデータへアクセスをしたアプリの調査、ユーザー自身がアクセスを許可するアプリをニュースフィードに表示するなどの改良点を公表。ロシアによる選挙介入問題に関しては、より早く探知するべきだったとし、現在、フェイクアカウントを除去するAIを開発し、すでにフランス大統領選やドイツ首相選、アラバマ州上院補選で成果を上げていることを説明した。また、収益性への重大な影響を顧みずに、セキュリティ投資を最重要事項に位置付けているとし、コミュニティを守ることが最も重要であることを強調した。
最後に、改めてFacebookのミッションに触れ、広告主とアプリ開発者が優先するようなことは、自身がFacebookに携わる以上、決して起こさないと決意を表明した。
ザッカーバーグ氏は10日の上院司法委員会と商業委員会による合同公聴会と、11日の下院エネルギー・商業委員会で証言を行う。