氷山の氷でカクテル、米ライフスタイルのカリスマに非難殺到

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ライフスタイルのカリスマで実業家のマーサ・スチュワート(82)が、氷山の氷を使ったカクテルをSNSに投稿し、非難を浴びている。

スチュワートは、豪華客船でアイスランドからグリーンランドを巡るクルージング旅行に出かけており、ラグジュアリーな船内や、壮大なフィヨルドの光景をインスタグラムで紹介していた。

28日に「夜のカクテル用に小さな氷山を採取した」とキャプションをつけ、大きな氷の塊や、それらで作ったカクテルを手に持った写真を投稿すると、ファンからは「青い氷が信じられないほど美しい」「素晴らしい冒険」と称賛の声が上がった。

一方で、気候変動を危惧する人々からは、批判が殺到している。PageSixによると「氷山が失われつつあるって聞いた事ないの?」「地球温暖化で氷床が溶けているのに、カクテルに氷山の氷が必要なの?」「地球が火に包まれている時に、氷山のカクテルを飲んでいる裕福な白人は、どこかずれてる」などの非難が相次いだ。現在コメント欄は閉鎖されている。

ワシントンポスト紙によると、グリーンランドは世界で最も温暖化が進行しており、南極の約2倍のペースで氷床が融解しているという。

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スチュワートは反論

スチュワートは30日、インスタグラムのストーリーズで、海に浮かぶ氷の写真を添え、自分たちはここから採取したと説明。「カクテルへの氷山の使用について、専門家は大したことではないと語った」と見出しがついたワシントンポスト紙の記事をシェアし、アンチに反論した。

クルーズ船の広報担当者はワシントンポスト紙に、氷の破片を1、2個持ち帰り、船に持ち込むのは数十年にわたって行われてきた慣習だと述べ、ゲストが希望した場合、飲み物の氷として使用すると説明している。

カリフォルニア大学アーバイン校地球システム科学科の氷河学者のエリック・リグノット教授は「海に浮かんだ氷はゆっくりと溶けている」と述べ、「グラスの中で溶けようが、海で溶けようが大差はない」と語った。

またタスマニア大学海洋南極研究所の氷河学者イアン・アリソン教授も、カクテルの氷はほとんど問題ないとする一方で、クルーズ船を動かす化石燃料による環境への影響の方が「はるかに大きい」と問題点を指摘した。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。