クレジットカード大手のマスターカード(Mastercard Inc)は17日、トランスジェンダーなどの顧客が、カードに記載する名前を選択できる「トゥルー・ネーム・カード」(True Name card)を発行すると発表した。
同社によると、LGBTQIA+コミュニティの人々、特にトランスジェンダーやノンバイナリー(男性、女性に当てはまらないと認識する人)は、カードを使用する際、差別に直面することがあるという。調査では、外見と性別や名前の一致しないIDを提示した約3分の1の人々が、嫌がらせや攻撃を受けたり、サービスを拒否されたりするなどの経験がある。
マスターカードは、ネットワーク企業に本名とカード名が一致する必要があるかを調査した後、トゥルー・ネーム・カードの発行を決定した。顧客は、法的な変更手続きを行わず、記載する名前を変更することができる。カードの種類にはクレッジットとデビットカードがあり、2020年初頭に発行を開始する予定。
マスターカードは、本来のアイデンティティを反映した金融商品を開発する取り組みが、業界で話題となり、他の企業でも採用が促進されることを望んでいると声明で述べている。
オールインクルーシブの標識を設置
マスターカードは、カード発行を記念し、ニューヨーク市の人権委員会とパートナーシップを組み、伝説のゲイバー「ストーンウォール・イン」近くのゲイ・ストリートとクリストファー・ストリートの交差点に、多様な性を包括した標識を設置した。
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今年は、1969年にニューヨーク市警察がクラブに踏み込んだ「ストーンウォールの反乱」(Stonewall Riots)から50年目を迎える記念の年で、プライド月間に特別に設置されている。