音楽配信サービスのSpotify(スポティファイ)は15日、ヘンリー王子とメーガン妃が設立した制作会社「アーチウェル・オーディオ」(Archewell Audio)と独占契約を締結したと発表した。
夫妻は今後、複数年にわたり「経験や物語、価値観を共有することを通じて、コミュニティを構築するための番組の司会を務め、制作する」予定だという。今月末にはホリデー特別番組が配信され、来年1月からシリーズ第1弾がスタートする。番組は全てSpotifyの独占配信となる。
夫妻は声明で「ポッドキャストで気に入っている部分は、少し時間を取ってじっくり聴くことで、邪魔されることなく、お互いに繋がれることを思い出させてくれる。困難に見舞われた2020年は、これほど大事な時間はなかった」と述べた。
2人は1月、英王室のシニアメンバーの地位を退き「経済的に自立する」と発表した。メーガン妃はその後、Disney+のドキュメンタリー番組「エレファンツ」(Elephants)でナレーションを務めたほか、9月にはNetflixと複数年にわたる契約を締結した。契約金は1億1,500万ポンド(約158億円)とも報じられている。
メーガン妃は先日、女性起業家のスタートアップ企業に投資したことを発表し、投資家デビューした。
限定コンテンツ増加
Spotifyの月間アクティブユーザー数は、約3億2,000万人。最近はポッドキャストの配信にも注力しており、6月にキム・カーダシアン・ウエスト氏と独占契約を締結。7月にはミシェル・オバマ夫人の番組「ザ・ミシェル・オバマ・ポッドキャスト」の配信を開始した。世界で最も人気のポッドキャスト番組、総合格闘技コメンテーター、ジョー・ローガン氏の「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」の独占配信権を獲得している。
同社のコンテンツ・広告事業最高責任者ドーン・オストロフ(Dawn Ostroff)氏は声明で「ヘンリー王子夫妻が持つ声のパワーは、世界市民としてのステータスを持つ」と述べ、Spotifyを通じて「世の中に埋もれた声を掘り起こすという取り組みは、音声によるストーリーテリングの可能性に理解を示している証拠だ」と語った。
同氏は昨年、競合他社からユーザーを獲得する戦略として、限定コンテンツの配信を増やす計画だとCNNに語っている。