米キャスター メーガン・ケリー 契約金75億円の残額を受け取り退社へ

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昨年10月、自身のトーク番組が打ち切りになったキャスターのメーガン・ケリー(Megyn Kelly)氏が、正式にNBCを去ることとなった。
ケリー氏は、番組内でブラックフェイスを擁護するような発言を行い、多くの人からの非難を浴びていた。

番組打ち切りを巡り、ケリー氏は法廷闘争に備え、弁護士を雇ったと報じられていた。
NBCは11日、「両者はお互いの相違点を解決した。メーガン・ケリーは既にNBCの社員ではありません。」と声明を発表した

この合意内容を知る人物は、ケリー氏には3年間の契約金6,900万ドル(約75億円)のうちの残額を支払うことで、合意に至ったとNBCニュースに語ったという。

ケリー氏は、2017年保守系メディアのFoxニュースから、メインストリームメディアのMBCに電撃移籍した。NBCには約1年半在籍していたため、約3,000万ドル(約32億5,000万円)を受け取るとみられている。

ニューヨークタイムズによると、ケリー氏の番組の平均視聴者数は240万人で、以前の番組よりも40万人減少するなど、低迷が続いていた。

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視聴率の低下にも関わらず、ケリー氏の番組は広告主によって魅力的だったようで、メディアコンサルティングのアナリスト、Jason Damata氏は同番組は「プレミアム・インベントリ」だったと述べている。
調査会社のiSpot.tvによると、2018年の番組の広告費用は、タイドやチェリオス、ホールフーズなど計1億8,870万ドル(200億円)にのぼるという。

番組打ち切り後は、朝のトーク番組「トゥデイ」のメンバーが交代で司会を務めているが、NBCニュースによると、視聴者数は以前から18%増加しているという。

TMZが10日、ニューヨーク市内でケリー氏に取材を行ったところ「もちろんTV業界に復帰するわ。」と笑顔で語っている。

ケリー氏の問題の発言は?

ケリー氏は10月、朝のトーク番組「Megyn Kelly Today」で、現在タブーとされるハロウィンの衣装に関するパネルディスカッションを開催した。

ケリー氏は、黒人以外の人種が、顔を黒塗りにするブラックフェイスについて、「白人がブラックフェイスに、黒人がホワイトフェイスにすると問題になる。」と述べ、「子供の頃は、キャラクターのように変装することについては、OKだった。」と発言。さらに、「(テレビ番組)The Real Housewives of New Yorkで、ルアン(Luann de Lesseps)が、(ハロウィンで)黒人歌手のダイアナ・ロスに扮し、肌を黒くしたら、物議を醸し、人種差別者扱いされた。分からないわ。ダイアナ・ロスを好きじゃない人なんているかしら?」と場合によっては、ブラックフェイスを肯定するような発言を行った。

この発言はすぐに炎上し、ソーシャルメディア上で多くの批判が寄せられた。コメディアンのパットン・オズワルト(Patton Oswalt)は、「あなたとは同い年くらいだと思うけど、子供の頃からブラックフェイスはOKではなかった。」と述べた。

その後、ケリー氏は、自身の発言の誤りを認め、翌日の番組冒頭でブラックフェイス発言を謝罪した。

発言から4日後の26日に、NBCニュースはトーク番組の打ち切りを発表していた。

Mashup Reporter 編集部
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