メラニア夫人は8日に発売した回想録『MELANIA』の中で、トランプ氏との出会いを振り返っている。
メラニア氏がモデルエージェンシー「メトロポリタン・モデル」の共同オーナーだったパオロ・ザンポリ氏の勧めでヨーロッパからニューヨークに渡ったのは1996年の秋。トランプ氏とはそれから2年後、クラブ「キットカットクラブ」で開催されたパーティで知り合った。メラニア氏は当時28歳、トランプ氏は50歳を過ぎていた。
著書ではこの日のパーティーの詳細については触れていないが、イベントはザンポリ氏が開催したとされる。キットカットクラブはタイムズスクエアから数ブロック離れたビルにあったクラブで、ラッパーのJay-Zが有罪判決を受けたレコードプロモーター刺傷事件、警官が銃撃されるなどの問題を起こした末、2000年に閉鎖した。
「友人が後ろの誰かに手を振っているのが見えた。振り返ると、男性と魅力的なブロンド女性が近づいてくるのに気がついた。『ハイ、ドナルド・トランプです』。男性はそう言ってテーブルに着いた。『初めまして』。私はその名前に聞き覚えがあり、実業家でセレブであることは知っていたが、それ以外はよく知らなかった。『こんにちは』。私は答えた。『私はメラニアです』。彼の目は好奇心と興味にあふれ、これを機会に私の隣に座り、会話を始めた」。
トランプ氏が「美しい彼女」を連れていたことから、単なる業界の挨拶程度だと考えていたものの、話し始めるとすぐにトランプ氏の「魅力」の虜になったという。
「会話が始まった瞬間から、彼の魅力と気楽な性格に魅了された。周りはとても賑やかだったが、彼が私たちのやり取りに集中してくれたおかげで、彼の世界の中心にいるように感じた。いつものうわべだけの世間話とは異なる新鮮な体験で、彼の魅力的なエネルギーに引き込まれた」。
トランプ氏から電話番号を教えるよう頼まれたが、それを断ると驚いた様子だったという。反対に「あなたの番号を教えて」とトランプ氏の電話番号を聞き出し、その場は別れた。数日後に電話をすると、トランプ氏は「なぜもっと早く電話をしてくれなかったんだ。君のことを考えていたんだ」と話したという。著書では、その後に二人が交際を重ね結婚に至るまでの過程が記されている。
トランプ氏は2番目の妻、マーラ・メープルズ氏と1993年から1999年まで婚姻関係にあった。トランプ氏は当時、メープルズ氏とは別居中で離婚手続き中だと説明したという。メラニア氏は「私は判断を下す代わりに彼と一緒にいることを選んだ」と振り返っている。
なお、二人の出逢いについては、ジェフリー・エプスタインが生前、トランプ氏をメラニア氏に紹介したと繰り返して自慢していたとも報じられている。こうした報道について、ザンポリ氏は「フェイクニュースで、でたらめだ」と否定している。