メトロポリタン美術館展覧会「キャンプ:ノート・オン・ファッション」

1913

メトロポリタン美術館では9日より、コスチューム・インスティチュート(Costume Institute)の展覧会「キャンプ:ファッションについてのノート」(Camp: Notes on Fashion)がスタートした。

同展覧会はニューヨークの作家スーザン・ソンタク(Susan Sontag)のエッセイ集「キャンプについてのノート」(Notes on Camp)(1964)に構想を得て企画された。
約250点の衣装や彫刻、絵画、ドローイングなどが展示され、キャンプの起源や、その感性がどのようにメインストリームのカルチャーに影響を与えるに至ったかを探求する。

Camp: Notes on Fashion

セクションは2つに分かれる。最初のセクションでは、ベルサイユ時代を「エデンのキャンプ」と位置づけ、ルイ14世とルイ15世の宮廷世界を紹介。極上のものを「キャンプの理想」とし、19-20世紀のヨーロッパや米国のクィア・サブカルチャーの起源をたどる。

Camp - Notes on Fashion
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty
Camp - Notes on Fashion
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty

次のセクションでは、現代のデザイナーがキャンプの持つ要素を、いかにファッションに取り入れているかを紹介する。皮肉、ユーモア、パロディ、模倣、技巧、芝居がかったものや、誇張が反映された衣装を展示する。

Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty
Camp - Notes on Fashion
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty
Camp - Notes on Fashion
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty

展示衣装には、英国のデザイナー、シャルル・フレデリック・ウォルト(Charles Frederick Worth)、バレンシアガの創設者、クリストバル・バレンシアガ(Cristóbal Balenciaga)、モロッコ出身のデザイナー、ジャンシャルル・ドゥ・カステルバジャック(Jean-Charles de Castelbajac)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano), ジャン=ポール・ゴルティエ(Jean Paul Gaultier)、グッチの創業者、グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、 英国のデザイナー、チャールズ・ジェームス(Charles James)、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、共同ホストを務めるグッチのデザイナー、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)、フランスのデザイナー、ティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)、フランスのデザイナー、ポール・ポワレ(Paul Poiret)、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)、サンローラン(Saint Laurent)、エルザ・スキャパレッリ(Elsa Schiaparelli)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)、アナ・スイ(Anna Sui)、ドナテッラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)などの名前が上がっている。

Advertisement
Camp - Notes on Fashion
Image courtesy of The Metropolitan Museum of Art, BFA.com/Zach Hilty

展示会は、アンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)が企画。ウェンディ・ユー(Wendy Yu)学芸員、カレン・ヴァン・ホッツセンホーヴェン(Karen Van Godtsenhoven)学芸員らがキュレーションを担当した。

恒例のファンドレイジングパーティ「メットガラ」は6日に開催された。歌手のレディー・ガガ、ハリー・スタイルズ、セレナ・ウィリアムズ(Serena Williams)、グッチのアレッサンドロ・ミケーレ、アナ・ウィンターが共同でホストを務めた。

Camp: Notes on Fashion
メットガラ:2019年5月6日
エキシビジョン:2019年5月9日~9月8日
場所:The Metropolitan Museum of Art
1000 5th Ave, New York, NY 10028
www.metmuseum.org

メトリポリタン美術館では、企画展の開催を記念した特別本「Camp: Notes on Fashion」($50.00)を出版。ソンタクのエッセイ「キャンプ」の概念を、芸術やファッションを通じて探求する。写真はジョニー・デュフォート(Johnny Dufort)。

Camp – Notes on Fashion
Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。