メトロポリタン美術館(Met)では、5月7日(月)に毎年恒例のファンドレイジング・パーティー、通称メットガラ(Met Gala)、メットボール(Met Ball)が開催される。
今年のエキシビジョンは、「天体：ファションとカトリックのイマジネーション」(Heavenly Bodies: Fashion and the Catholic Imagination)で、カトリックとファッションの関連性をテーマとしている。米VOGUEによると、ファッションと宗教的芸術のマスターピース間における対話を創り出すもので、展示作品には、バチカンから貸与されたシスティーナ礼拝堂の教皇の衣装など50点のほか、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)やベルサーチ(Versace)、シャネル(Chanel)、ヴァレンチノ(Valentino)など150点以上のデザイナー作品が含まれる。
歌姫リアーナ(Rihanna)、アマル・クルーニー(Amal Clooney)、ドナテッラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)が共同ホストを務める。
昨年は、コム・デ・ギャルソン（COMME des GARÇONS）のデザイナー、川久保玲の特別展「Rei Kawakubo/Comme des Garçons: Art of the In-Between」が実施された。存命のデザイナーを単独でフィーチャーしたエキシビジョンが開催されるのは、1983年にイヴ・サン=ローラン（Yves Saint Laurent）以来となる。
毎年世界中で大きな注目を集めるメットガラの歴史と魅力を紹介する。
メットガラとは
メットガラは、Metのキュレーションを行う部門、コスチューム・インスティチュート（the Costume Institute）による資金調達のためのパーティー。同美術館では、5大陸から収集された35,000点のファッション、衣装やアクセサリーを所蔵する。
毎年、新たなエキシビジョンのオープニング前夜に開催され、選ばれた招待客のみが参加できる。参加のためのチケット費用は、1人あたり3万ドル(約330万円)から5万ドル(約550万円)とも言われる。希望すれば誰でも購入できるわけではなく、理事を務めるアナ・ウィンター氏に選ばれたゲストのみが購入を許可されるという。
ニューヨークタイムズによると、2015年のガラでは、一晩で1,250万ドル(約13.75億円)を調達したという。
メットガラの歴史
CNNによると、1948年から1971年の間は、エキシビジョンとは別に、現在改装中のウォルドルフアストリアホテル(Waldorf Astoria)のレインボールームでパーティが開催されていた。ヴォーグ元編集長、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)が、1972年にガラのコンサルタントとして加わる。この年以降、デザイナーや、ファッション業界関係者、セレブリティーらが一同に集まり開催される形式となった。
1999年に、ヴォーグ編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)氏が理事長を務めてからは、よりセレブを中心としたイベントへとシフトしていく。これまでに、故デヴィッド・ボウイ、リアーナ、ビヨンセ、ジェニファー・ロペス、テイラー・スウィフト、サラ・ジェシカ・パーカー、キム・カーダシアン、カニエ・ウエストらが参参加している。華やかな衣装をまとい、レッドカーペットを歩く様子は多くのメディアの注目を浴びるようになった。
2015年に開催された中国がテーマ(China Through The Looking Glass)のガラの模様は、ドキュメンタリー映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』”The First Monday in May”(2016)として劇場公開された。
メットガラ開催場所
メットガラは、メトロポリタン美術館で開催される。レッドカーペットは午後7時頃よりスタートし、毎年多くのファンが詰め掛ける。
注目のレッドカーペット
毎年アナ・ウィンターより、展示会に関連するテーマが提示され、その衣装をまとったセレブリティ登場する。
訪れるセレブは、年によって変わるが、ジジ＆ベラ・ハディッド(Gigi and Bella Hadid)や、ケンダル・ジェンナー（Kendall Jenner）、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)などは常連ゲストとなっている。レッドカーペットでのドレス姿は、翌日のメディアを賑わす。
