若者によるイスラエル・ハマス戦争の停戦を求める抗議活動が拡大するなか、映画監督のマイケル・ムーア氏は29日、CNNの番組に出演し、イスラエルへの支援を停止しなければ、選挙で敗北するとバイデン大統領に警告した。
コロンビア大学やニューヨーク大学のほか、テキサス州やワシントン州、カリフォルニア州など各地の大学では、学生による抗議活動が続いている。コロンビア大学では30日夜、ハミルトン会館に立てこもっていた学生約100人が拘束されたと報じられている。
ムーア氏は、デモ参加者に関して「おそらく98%は反ユダヤ主義ではない」と述べ、プロテスターがハマスを支持しているというのは「作られたもの」だと主張。デモには、多くのユダヤ人学生も加わっているとし「彼らも何が誤ちか分かっている。だからこそ、私の知るイスラエル人の大多数は間違いなくネタニヤフ首相に退陣して欲しいと思っている」と加えた。
パレスチナ人に関して、彼らは「セム族」であり、「この数十年間の真の犠牲者は、自由や民主主義のもとでの生活、自らの権利を持つことができなかったパレスチナ人」だと同情を示した。
CNNが28日に公表した世論調査では、35歳未満の有権者の81%が、バイデン大統領のイスラエル・ハマス戦争の対応を支持しないと回答している。
ムーア氏は、バイデン氏が若者やアラブ系アメリカ人の票を失っており、「現時点で、再選できない可能性がある」と主張。バイデン氏を「同じカトリック教徒の仲間」と呼びつつ、政策が「過っている」と対応を非難した。「われわれは即時停戦を求めている。無実の子供や女性、高齢者の大量虐殺は罪だ。これは間違いなく、われわれの信念に反する。だからこそ、あなたがネタニヤフのやっていることをあまり良く思っていないのを分かっている。あなたは殺害を止めることができる。手を引くんだ。銀行を閉鎖し、停止するんだ」と訴えた。
自身の主張はイスラエルの不支持を意味するものではないと述べつつ、「今起きているのは、こっぱ微塵にする大虐殺で狂気だ」と批判。攻撃は「われわれのパートタイムの給料や税金で賄われており、資金を提供している。自分たちに責任がある」と加えた。「状況を好転させなければ、ミシガンを失い、選挙で負ける。私はトランプを再選させたくない」と改めて政策の転換を求めた。