主演作「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたミシェル・ヨーだが、SNSへの投稿内容を巡り、賞の規定に違反した可能性が浮上している。
デイリービーストは、ヨーが7日、自身のインスタグラムを更新し、米Vogueに掲載された「非白人が主演女優賞を受賞してから20年以上が経った。2023年それは変わる?」と題された記事をシェアした後に削除していたと伝えた。
Vogueのライターはこの記事の中で、「功績に基づき」賞が授与されるならば、94年間の歴史で、主演女優賞を受賞した非白人が1人というのは「信じがたい」と主張。アカデミーにおける構造的差別の問題を指摘した。
今年の授賞式では、ダニエル・デッドワイラー(Till)とヴィオラ・デイヴィス(The Woman King)が主演女優部門のノミネートから除外されたため、「非白人の唯一の希望」であるヨーは、選出に値し、受賞はより意味のあるものになるだろうとした。
一方で、「TAR/ター」で主演女優賞にノミネートされたケイト・ブランシェットについて、既に2つのオスカーを獲得しており、3度目の受賞は「業界の大物としての地位を確認することができるが、広範かつ比類なき一連の作品を考慮した場合、これ以上の認証が必要だろうか」と疑問を呈した。
デイリービーストによると、アカデミーのキャンペーンに関する規定では、「他の候補者への言及」という項目で、氏名や映画のタイトルを挙げ、競合相手を非難する手法が禁止されている。
ヨーが記事をシェアしたのは、オスカーの投票が締め切られる直前だった。同サイトは、記事の引用が該当するかどうかは不明としつつ、投稿は規定に違反する可能性があると指摘した。
今年1月には、別の作品がライバル候補に言及し、違反の可能性が取り沙汰された。
アンドレア・ライズボローが主演女優賞にノミネートされた「To Leslie トゥ・レスリー」のインスタグラムの公式アカウントは、ブランシェットの演技を引き合いに、アルコール依存症に苦しむライズボローの演技を賞賛したシカゴ・サンタイムズの記事を投稿。その後削除していた。
アカデミーはその後、「懸念を生じさせるソーシャルメディアとアウトリーチ・キャンペーン」が発覚したとし、違反行為がなかったかキャンペーンに関するレビューを行うと発表した。ただし、どの行為を指したものかは、明言を避けた。
なおネットでは、ヨーの投稿は「多少厄介」としながらも、「彼女がアジア人俳優に勝利をもたらすために必要だと感じているなら、私は支持する」と賛同する声も上がっている。