元ボクシング世界ヘビー級王者で、最近はマリファナ起業家として活躍するマイク・タイソンにからんだ男性が、王者から鉄拳制裁を受ける事件があった。
事件は20日、サンフランシスコ国際空港からフロリダに向かうジェットブルーのファーストクラスで起きた。TMZがシェアした動画には、タイソンの後ろの席に座った男性が、しつこく話しかけるなど挑発する様子が撮影されている。動画を撮影したのは友人と見られ、男性を「ジョージ」と呼んでいる。目撃者によると、タイソンは落ち着くよう忠告したが、それでもやめないことに激怒。別の動画では、シート越しに男性にパンチする様子が撮影されている。殴られた青年はその後、友人に向かって右のこめかみにできた複数の傷を見せた。
ワシントンポスト紙によると、事件に対応したサンフランシスコ警察は、二人を拘束したが、すでに身柄を解いたと発表した。逮捕や起訴の可能性は明らかではないが、ビデオをサンマテオ郡保安官事務所に提出したとしている。
タイソンの代理人は「不幸にも、タイソン氏は機内で攻撃的な乗客と事件を起こした」と認めつつ、男性が、着席するタイソンに「嫌がらせをして、ウォーターボトルを投げつけた」と発表した。
この日、タイソンは、「マリファナの日」を祝してゴールデンゲートパークで開催されたフェスティバルイベントに登壇。自身のマリファナブランド「タイソン2.0」をプロモートする一方で、非営利の自殺防止活動組織の代表者に、イベントの賞を授与する役を務めるなどした。
最高にご機嫌な様子だったというタイソンは「俺は世界チャンピオンで、いまはマリファナの王者だ。誰にも止められないぜ」などと話したという。
事件が起きたのはこの数時間後のことだった。
捜査当局がどのような判断をするか不明だが、ネットでは「パンチをしたマイク・タイソンが正しいとは言わないけど、タイソンがほっといてくれって言ったら、僕だったら、うっかりいびきをかいて彼の機嫌を損ねないよう、席を変えるよ」「タイソンは、すべての手に負えない乗客が扱われるべき方法で対処した」「熊をからかっちゃいけない。それがタイソンならなおさら」など、タイソン寄りのコメントが相次いでいる。
タイソンは昨年ローンチしたマリファナ製品ブランド「タイソン2.0」が、すでに数百万ドル規模の成功を収めているという。先月、1997年の「ホリフィールド耳かみちぎり事件」をパロディにした、耳形グミを発表して話題になった。