1カ月近く行方不明になっていた14歳の少女が無事保護された件で、ニュージャージー州の捜査当局は12日、未成年を危険にさらしたとして、母親を逮捕・起訴したと発表した。
母親は少女が行方不明になった後、メディアに出演し、初動対応に不備があったと捜査当局を非難。涙ながらに娘を保護するよう訴えていた。
地元メディアWABCによると、ニュージャージー州在住の母親、ジェイミー・ムーア(Jamie Moore)被告(39)は、身体的虐待およびネグレクト(育児放棄)の罪に問われている。被告には娘のほかに3歳の息子もいるが、事件を受け、2人の親権を剥奪された。
少女が最後に姿を確認されていたのは、10月14日。イーストオレンジの自宅付近にある「ポピーズ・デリ」という食料品店だった。母親はCBSニューヨークに対し、デリに娘を送った後、母親のデビットカードを持たずに帰宅したため、再びデリに戻った後行方不明になったと語っている。
エセックス郡の保安官事務所は、手がかりになる情報に対し2万ドルの報奨金を出し、市民に協力を呼びかけていた。
エセックス郡の捜査当局の発表によると、少女は今月11日夜、ニューヨーク市のハーレム地区で無事保護された。111ストリートで少女を見かけた通行人が、捜索願いが出されている少女だと気づき、警察に通報した。少女は髪を短く切っていたが、同一人物だと分かったという。その後、ニューヨーク市警察が少女と話し、身元を確認した。
娘は家出をしており、家族から身を隠していた。ニュージャージー州の複数カ所を転々とした後、ブルックリンのシェルターに滞在するなどしていた。
寄付金を募集
ムーア被告は、娘が行方不明となった後、クラウドファンディングサイトGoFundMeで寄付を募っていた。キャンペーンには、すでに100万円以上の寄付金が集まっていたという。
捜索願いを提出した際、ムーア被告は9日の記者会見で、「娘は家出したのではない。誘拐された」と主張していた。「直ちにアンバーアラートを発令するべきだったが、定られた手順に従っていなかった」と当局の対応を非難していた。
近隣住民はWABCの取材に対し「知らないうちに少女のいる場所を通り過ぎているのではないかと不安がよぎった。廃屋で危険な目にあっているという可能性も考えた」など心配していたことを明かした。無事が確認されたことで、「家庭問題が解決することを祈っている」と話した。