米南部のミシシッピ州のテイト・リーブス(Tate Reeves)州知事によると、新型コロナウイルスの感染者数が記録的な水準に達している同州で、州民がコロナをあまり心配しないのは、”特別な理由”があるからなのだという。
リーブス氏は26日、シェルビー郡イーズの知事公邸で再選のためのファンドレイジングイベントを行った。
ビジネスインサイダーによると、この中の演説でリーブス氏は、ミシシッピや中西部の人々は、なぜコロナを恐れていないように見えるのかと良く尋ねられると述べた上で、「もし永遠の命を信じていれば、この世で生きることは、スクリーン上のささいなことに過ぎないと考えれば、物事は恐れるに足らない」と信仰に関連付けた説明を行った。
一方で「神はわれわれに、予防策を講じるよう命じた」と述べ、「私たちは、それを実行する能力や機会を有している」として、感染予防に努めるよう呼びかけた。
なおAP通信によると、リーブス氏は7月末、疾病対策センター(CDC)がマスク着用ガイドラインを変更した際、「馬鹿げている」と批判。「彼らが主導権を握っているように思え、政治的なパニックを解き放つ」などと話していた。CDCは同月、感染拡大地域について、ワクチン接種の有無に関わらず、屋内でのマスク着用を推奨すると方針を転換した。
リーブス氏はさらに、「合理的な科学とは何ら関係がない。ミシシッピでは、われわれは自由を信じている」と規制に反対する意向を語っていたという。
なおニューヨークタイムズのデータベースによると、ミシシッピ州における10万人あたりの新規感染者数は103人で、フロリダ州に次いで2番目に多い。ワクチン接種を完了した住民は38%で、国内最下位となっている。
リーブス氏の発言にネットでは、「もはや党派の問題ではない。死のカルトだ」「なんてこと。君は死につつあるが、天国に行けるから心配するなってこと?」「病気になったら病院に行くのではなく、教会に行って祈るべきだ」「永遠の命を信じているのにもかかわらず、なぜスーパーでアサルト銃を持ち歩くのか」などの声が寄せられている。