10日、ニューヨーク州のクオモ知事は新たな行政命令で、ニューヨーク市の地下鉄やバスを運営するMTAに対して、公共交通機関における乗客のマスク着用を強化する計画の策定を指示。MTAは命令に応じ、マスク着用を拒んだ乗客に50ドル(約5,300円)の罰金を科す新規則を決定した。
新規則は9月14日からスタートする。
クオモ知事は記者会見で、レイバーデー以降、例年通り車の交通量が増していると説明。人々が仕事に戻っている良い兆候で、車が安全だと感じることは理解できると述べる一方、ニューヨーク市は全員が車通勤することに対応できないとして、人々が公共交通機関を安心して利用できるよう、安全対策を強化する必要性を語った。
「MTAシステムのマスクの順守はとても高い。約90%だ。しかし、人々が公共交通機関に戻るのを快適に感じることを確実にしたい。」と述べ、「車両は清潔で、消毒されている。最後の要素は、乗客がソーシャルディスタンスを認識しているということ、マスクを着用しているかということだ」と語った。
会見に電話で参加したMTAのパット・フォイエ会長は、マスクの着用率は、バスの乗客で96%、地下鉄90%、メトロノースとロングアイランド鉄道はともに90%と発表。「これをもっと高めたい」と述べ、「新規則では、地下鉄とバス、ロングアイランド鉄道、メトロノース鉄道において、マスク指示に違反した場合、50ドルの罰金が科される」と語った。
NYCトランジットのサラ・ファインバーグ暫定プレジデントは、マスクを忘れた乗客には、各駅のブースやバスの車両内、ニューヨーク市警察や地下鉄警察が配布していると説明。規則は「提供してもマスクの着用を拒むごく少数の人々のための最後の手段」と述べ、取り締まりをMTA警察とニューヨーク市警察が実施する旨を語った。
なお5月、地下鉄構内でマスク着用を拒否した22歳の母親を、ニューヨーク警察が強引に拘束。SNSに動画が出回り、行きすぎた取り締まりだと非難の声が上がった。
gothamistによると、ニューヨーク市警察はその数日後、マスクの着用に関して、拘束したり召喚状を発行したりしないと方針を変更している。