40年前に発見され、身元不明とされていた遺体が、有名音楽グループに所属していた人物であることが判明した。CBSニュースが報じた。
身元が特定されたのは、オハイオ発のソウルグループ「オージェイズ(The O’Jays)」のギタリストだったフランク”フランキー”リトル・ジュニア(Frank “Frankie” Little Jr.)さん。
遺体が見つかったのは1982年。クリーブランド近郊の町、ツインバーグにある雑木林から頭蓋骨が発見された。後に、ゴミ袋に入った体の骨が見つかった。解剖の結果、刺し傷や鈍器で殴られた跡があったほか、死後に焼かれて、バラバラにされたことが判明した。遺体の特徴から、殺害されたのは身長170cm、20歳から25歳の男性で、後弯症を患っている人物とされた。
捜査当局は当時、被害者と犯人は、地元にあったクライスラーのプレス工場の従業員とみていたが、解決にいたらなかった。
身元特定に導いたのは、DNA情報と系図法を合わせた捜査手法によるものだった。地元警察は2018年、遺伝子系譜を解明する団体「The DNA Doe Project」に協力を要請。GEDMatch.comやFamilyTreeDNAといった消費者向けDNAデータベースから、近親者ではないが、サウスカロライナに遠い親戚がいる可能性が示された。最終的に、これらの人々の協力を得て、フランクさんであることが判明した。
フランクさんは1943年8月、クリーブランド生まれ。1960年代中頃にオージェイズに加わった。オリジナルメンバーのウォルター・ウィリアムスは、フランクさんが、同じく創業メンバーのエディ・リヴァートとともに楽曲を手がけたこともあると話しているという。
1958年に結成されたオージェイズは、「裏切り者のテーマ(Back Stabbers)」や「ラブ・トレイン(Love Train)」などのヒットで知られ、2005年に「ロックの殿堂」入りを果たしている。
バンドを脱退したフランクさんは陸軍に入隊し、ヴェトナム戦争にも従軍した。2年間の軍務を経て、70年代中頃には、再びクリーブランドに暮らしていた。
殺害された当時の情報に乏しく、捜査関係者は、同居人や友人を含む、当時のフランクさんを知る人物に、情報提供を呼びかけている。