ヘンリー王子とメーガン妃がエグゼクティブ・プロデューサーを務めたNetflixの番組「Live to Lead」を巡り、故ネルソン・マンデラ元南アフリカ共和国大統領の親族から「レガシーを利用している」と非難する声が上がった。
ニューヨークポスト紙によると、マンデラ氏の孫ニコラ・マンデラ氏(57)は、the Australianのインタビューで、夫妻が王室とのもめごとを、南アフリカの自由のために戦うマンデラ氏と比較しているように見えると述べ、「似て非なるもの」だと指摘。ネルソン・マンデラ財団が、夫妻の取り組みを支援していることは理解しているとしつつも、ヘンリー王子らは「祖父の名前が売れるといって、名言を盗用し、レガシーを利用してきた人々と何ら変わりない」と批判した。
番組は、ネルソン・マンデラ財団と共同制作し、昨年末に公開されたもので、故ルース・ベイダー・ギンズバーグ米連邦最高裁判事や、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏、フェミニズム運動の活動家グロリア・スタイネム氏、人権弁護士のブライアン・スティーブンソン氏、ニュージーランドのジャシンダ・アーデン首相など、社会の改革に向けてリーダーシップを発揮した人々に焦点をあてる内容となっている。
ヘンリー王子は予告編で、番組制作のきっかけについて「ネルソン・マンデラにインスパイアされた」と語っていた。番組では、マンデラ氏が1990年、27年間に及ぶ獄中生活から釈放された際の資料映像なども使用されている。
ニコラ氏はヘンリー王子の王室離脱の判断に評価を示しつつも、それには「代償が伴う」と述べ、「自分の人生に投資するべきだ」と主張。これまでにも、祖父の名前を利用する人々と「和解してきた」と明かし、「それが起きる度に、動揺し、うんざりさせられる」と心境を話した。
さらに、ヘンリー王子は「本物である必要があり、自分自身のストーリーにこだわるべき」とも話し、「祖父の人生と彼の間に、どのような相関性があるのか」と疑問を投げかけた
ヘンリー王子夫妻は、マンデラ氏に「きちんと」面会したことはないと振り返りつつ、「人々を惹きつけるために、発言を利用しながら、マンデラ家に利益をもたらすことなく何百万ドルも稼いでいる」と苦言を呈した。
なおヘンリー王子夫妻は2019年、南アフリカを公式訪問した際、妻のグラサ・マシェル(Graça Machel)氏と対談している。昨年7月の「ネルソン・マンデラ国際デー」には、ヘンリー王子はニューヨークの国連本部で、基調演説を行った。その中で、マンデラ氏と亡き母ダイアナ妃との関係や、思い出などとともに、気候変動をはじめとする諸問題に触れ、世界の指導者たちに行動を呼びかけるなどした。