ニューヨーク州のアドリュー・クオモ(Andrew M. Cuomo)州知事は17日、ストリーミング配信大手ネットフリックス(Netflix)が、ニューヨークで事業を拡大し、オフィス及びスタジオを設立することを発表した。
Netflixは今後5年間で、マンハッタンのフラットアイアン(888 Broadway)で、マーケティングや製作開発、広報、法務など高収入の人材、127名を雇用する。
またブルックリンのイースト・ウィリアムズバーグ(333 Johnson Avenue)には、6つのスタジオを開設する予定で、数千人の製作スタッフの雇用創出が見込まれる。同社の投資額は、最大1億ドル(約111億円)となる。
州の経済開発業者エンパイア・ステート開発(Empire State Development)は、10年間で最大400万ドル(約4億5,000万円)の税額控除を行うとしている。
クオモ州知事は「Netflixが事業成長のため、ニューヨークを選んでくれたことを我々は誇りに思う。雇用創出や経済活動、プロジェクトがもたらす一流の作品を楽しみにしています。」と声明で語った。
Netflixの全世界スタジオ運営及び不動産ディレクター、ジェーソン・ハリソトン(Jason Hariton)氏は、「ニューヨークは、映画に親和性の高い環境を作り出し、世界有数の創造的で優秀な才能が集う場所となっている。Netflixという製作拠点を彼らに提供できることに、大変ワクワクしている。」と期待を述べた。
Netflixはこれまでに「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」(Orange Is the New Black)や「アンブレイカブル・キミー・シュミット」(Unbreakable Kimmy Schmidt)などをニューヨークで製作している。
1兆円を超えるコンテンツ予算
ニューヨークタイムズによると、Netflixはオリジナルシリーズを外部スタジオで製作してきたが、昨年10月『アベンジャーズ』などブロックバスター作品が製作されたニュー・メキシコ(New Mexico)州のスタジオを買収している。
同社は昨年、コンテンツに80億ドル(9000億円)以上を投じており、今年の予算は100億ドル(1兆1,000億円)以上を予定している。少なくとも55本のオリジナル映画を製作する予定で、大手スタジオの2倍となる。作品の中には、予算2億ドル(222億円)の大作映画も含まれる。
現在全てのストリーミング製作で、ロサンゼルスのスタジオが不足しており、ニューヨークに設立する新たなスタジオは、そのギャップを埋めることが期待されているという。