早くも「無賃乗車ハック術」が拡散、NY市地下鉄の新改札

238

新テクノロジーの導入で、不正乗車がより簡単に?

ニューヨーク市地下鉄では、改札の回転式バーを飛び越え無賃乗車する人々が後を絶たないことから、新たなテクノロジーを搭載した改札機を試験的に導入した。しかしSNSでは早くもハック術が拡散され、話題となっている。

「新しいニューヨークのターンスタイルハック」とキャプションのついた動画では、投稿主が扉の内側に備え付けられたセンサーに手をかざして、いとも簡単にドアを開ける様子が撮影されている。構内には5人ほどの警察官がいたが、何食わぬ顔で通り過ぎた。

TikTokのコメント欄には「すでに(笑)。NYは無敵すぎる」「もうジャンプしたり、這いつくばったりする必要はないのか。歩いて通れるようになった」「前より簡単になってるじゃないか」「一般人の方がエンジニアより賢い」「MTAはストリート・スマートを雇うべき」「われわれは、やったぞ!」など感心の声が上がった。

ハック術を試したニューヨークポスト紙も「あきれるほど簡単」と指摘。ドアは5秒間程開きっぱなしで、後から来た人が早足で通過できるほど「余裕があった」と解説を加えている

Advertisement

不正乗車の被害は1,000億円以上

ニューヨーク市では、地下鉄やバスの無賃乗車率が記録的な水準に達している

2022年の不正乗車による被害額は、約6億9,000万ドルだった。地下鉄の無賃乗車率は推定14%で、過去5年間で最も高い水準となった。ちなみにパンデミック前の2019年は5.7%だった。

地下鉄とバスを運営するMTAは、無賃乗車の防止を最優先事項に掲げており、パリの地下鉄などで使用されている「ハイテク改札口」の導入計画を発表していた。新たな改札機の導入コストは、約70万ドル(約1億円)としている。

ポスト紙によると、MTAは現在「ドアが閉まっている際、手を伸ばして運賃の支払いを回避できることを最小限に抑えるための解決策」を模索しているという。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。