2024年大統領選の行方を左右する接戦6州の有権者を対象に実施された世論調査で、5つの州でトランプ前大統領の支持率がバイデン大統領を上回った。
世論調査はニューヨークタイムズとシエナ大学が10月22日から11月3日にかけて行った。アリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ネバダ州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州の有権者3,662人から回答を得た。誤差幅は±1.8ポイント。
2020年の大統領選では、バイデン氏がこれら6州をすべてを制している。
今回の世論調査でバイデン氏がトランプ氏を唯一上回ったのはウィスコンシン州で、支持率はそれぞれ47% – 45 %だった。
その他のネバダ、ジョージア、アリゾナ、ミシガン、ペンシルベニアで、トランプ氏はバイデン氏に対して4ポイントから10ポイントの差をつけた。
国家が向かっている方向について、67%が誤っていると答え、正しいと答えたのは22%だった。
争点別では、バイデン氏は「人工妊娠中絶」と「民主主義」についてトランプ氏を上回ったが、「経済」「移民」「国家安全保障」「イスラエル・ハマス紛争」問題でトランプ氏にリードを許した。
予想を上回るGDPの伸びやインフレ率の低下、好調な労働市場など、バイデノミクスの成果を強調している経済だが、59%がトランプ氏の方がより「良い仕事をする」と答え、バイデン氏に信頼を置いているのはこれを20ポイント以上下回る37%だった。また、53%がバイデン氏の政策によって個人的に苦しんでいると答え、役に立っているとしたのはわずか35%だった。
民主党に有利とされる都市部や有色人種の支持率にも変化の兆候が現れている。
黒人有権者でトランプ氏を支持するとしたのは22%で、「現代では見られてこなかった水準」に達した。タイムズによると、バイデン氏がリードしたウィスコンシン州は6州で最も白人比率が高く、「激戦州の多様性が高まるほどバイデン氏はさらに後れを取っている」ことがわかった。
来年に控える複数の刑事裁判など、トランプ氏は大きなリスク要因を抱えているものの、タイムズは、もし来年の世論調査の結果が変わらなければ、トランプ氏が「勝利に必要な選挙人票270票を大きく上回る、300票以上を獲得する」可能性があると指摘している。