ニューヨークのアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は31日、4月1日からスタートする1,750億ドル(約19兆5,000億円)の新会計年度予算で、州議会と合意に達したことを発表した。
予算には、マンハッタンの一部のエリアを通行する自動車から料金を徴収する、コンジェスチョン・プライシング(混雑課金)や、固定資産税の増加上限2%への固定、教育支援への10億ドルの追加支出、保釈金の制度改革や裁判の迅速化を含む刑事司法改革などが含まれる。
クオモ州知事は声明で「我々は当初から、恒久的な固定資産税の上限、刑事司法改革、中心業務地区の通行料金を含むMTAの見直しといった、この州が数十年間避けてきた3つの問題に対処できない予算は実行しないと、述べてきた」と発表。また予算は「財政義務を果たし、引き続く連邦政府による我々の州に対する経済的攻撃から、ニューヨークを守らなければならない。」と語り、「これを成し遂げたことを発表できるのを誇りに思う。」と述べた。
混雑課金
混雑課金は、60ストリート以南のマンハッタンの中心業務地区を通過する自動車から通行料金を徴収する制度。2020年末までの実行を目指す。FDRは対象外となる予定。6人のメンバーからなる調査委員会(Traffic Mobility Review Board)が今後、時間帯や曜日による料金設定や除外対象などを決定するという。amNYによると、実行により州は年間10億ドル(約1,100億円)の収入を見込み、150億ドル(約1兆6,600億円)規模の債権発行に役立てられる。
最終的な通行料金は決定されていないが、昨年、州知事より混雑課金の検討を託された特別委員会「Fix NYC」は、一般自動車に11.52ドル(1,270円)、トラックに25.34(約2,800円)ドル、Uberやタクシーには一乗車あたり2-5ドル(約220円〜550円)の料金計画を発表している。
2020年からレジ袋が禁止に
混雑課金のほか、新予算では、使い捨てレジ袋の使用を禁止する法案も合意に達した。レジ袋の使用は、ニューヨーク市単体だけで年間71,000トンに達する。2020年3月から実行を予定している。