学位への投資は有利じゃない?ウォルマートが採用要件見直し

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米小売最大手のウォルマートでは、本社勤務を含むホワイトカラーの仕事の学位要件を見直しているという。先月28日のブログの投稿で明らかにした。

同社は「われわれは、従業員がキャリアアップするために不必要な障壁を排除することに注力してきた」とした上で、「学位だけでなく、スキルを考慮に入れるために本部の仕事の職務記述書を書き換えている」と説明。関連する学位を取得しているか、または必要なスキルを有していれば採用の対象になるとした。

「学位は考慮すべきものの一部分であるべきで、一部のケースでは必要となるが、本社を含めて学位がまったく必要のない役割はたくさんある」と述べた。

学位が必要な職種についても、「大学に入る前に学位取得のほぼ半分を達成するシステム」の構築に取り組んでいるという。ウォルマート・アカデミーで短期間のサーティフィケイトプログラムを終了することで、実地トレーニングの単位を取得できるようになるとし、「忙しい社会人学習者にとって、大幅な時間の節約になる」と述べた。

近年、労働力不足を背景に、学位要件が競争上不利に働くことを意識する企業が増加している。

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8月の失業率のデータでは、学士以上の失業率は3%であるのに対して、高卒以下の失業率は9.3%だった。不必要な要件を排除することで、タレントプールが拡大する。

CNBCの昨年4月の報道によると、アクセンチュアは2016年に立ち上げた見習いプログラムを通じて採用した1,200人のうちの80%が、4年制大学を卒業していなかった。同社は見習いプログラムをエントリー・レベルの20%を埋めるまでに拡大する計画で、これにはアプリ開発、サイバーセキュリティ、クラウドおよびプラットフォーム・エンジニアにいたるまでの職種が含まれるという。

デル・テクノロジーズは2021年に大学採用の定義を拡大し、2年制大学からの採用に焦点を当てたプログラムを開発した。

バンク・オブ・アメリカの幹部はCNBCに、エントリーレベルの仕事の大半においてもはや大学の学位は必要なくなったと説明した。同社はコミュニティカレッジと協力して2023年までに低・中所得層の地域から1万人を採用する目標を掲げたが、2年間前倒しで達成したことで、2025年までにさらに1万人追加する計画だという。

グーグルでは特定のポジションの学歴要件を削減した。米シンクタンク、バーニング・グラス・インスティテュートの調査では、同社の学士号を必要とする求人は、2017年から2021年の間に93%から77%に低下しているという。

大学教育のROIは?

セントルイス地区連銀の試算によると、2020年の大学教育の投資収益率は13.5%〜35.9%と著しく高いものの、2000年(21%〜56.3%)に比べると低下していることがわかった。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。