14日、米国ではファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの接種がスタートした。ニューヨーク市クイーンズにあるロングアイランドユダヤ医療センター(LIJ)に勤務するICUの看護師、サンドラ・リンジーさんが、国内で初めてワクチンを受けた。
ファイザーのワクチンは、米食品医薬品局(FDA)が11日に緊急使用を許可していた。
午前9時に州都アルバニーからライブストリーミングを配信したクオモ州知事は「協力した全ての州民に感謝する」と述べ、「パンデミックは現代の戦場だった。ワクチンはこの戦争を終わらせる武器だと思っており、大変ワクワクしている」とワクチンへの期待を語った。
注射が終わると、会場では拍手と歓声が上がった。リンジーさんは「他のワクチンを接種するのと何ら変わりはない」と感想を述べた。
「良い気分だ。世界中の全てのフロントラインワーカーや同僚に感謝します。希望を感じ、安堵している。癒しが訪れたように感じる。われわれの歴史における大変辛い時期の終わりの始まりを示している」と語った。
また「ワクチンは安全だという、国民の信頼を植えつけたい。パンデミックを終わらせるためには、みなが自分自身の役割を果たす必要がある。トンネルの先に光が見えたが、まだマスクを着用し、ソーシャル・ディスタンスを保つ必要がある」と述べた。さらに「私は看護師として科学を信じ、それに基づいて行動している」と述べ、皆にワクチンを接種するよう推奨した。
AP通信とNORCが9日に発表したワクチンの接種に関する世論調査では、米国人の成人で接種すると回答したのは47%だった。43%が接種しない(26%)または、分からない(27%)と回答しており、普及にはワクチンへの信頼性を高めることが重要だと言われている。
クオモ氏はリンジーさんに対し「皆、あなたがどんなに勇敢で、技術と才能があり、無私無欲であるか知っている」と述べ、「心の奥底からヒーローだと思っている」と称賛した。
トランプ大統領は「最初のワクチンが投与された。おめでとうUSA!おめでとう世界!」とツイートした。
ニューヨークのデブラシオ市長は「素晴らしい瞬間」と述べ、「彼女は最前戦に立ち続けた。最初にワクチンを接種するのにふさわしい」と語った。
ワクチンの配布計画は?
abcニュースによると、ワクチンは現在、ニューヨークの44カ所の病院に到着しており、マイナス80度の超低温冷蔵庫で保存されている。
リンジーさんの1時間後には、レノックスヒル病院のYves Duroseau医師が医者として最初にワクチンを接種した。
マンハッタンのNYUランゴーン医療センターでは、午後2時からワクチンの接種を開始する。
クオモ氏の計画によると、感染リスクの高い病院の労働者が最初にワクチンを接種する。来週以降は、老人ホームの居住者と労働者への配布を開始。それ以降は教師や消防隊員、エッセンシャルワーカーで、一般人に関しては2月以降になる可能性があるという。