ニューヨーク州議会で4日 猫の爪切除(declawing)の手術を禁じる法案が上下両院(上院50-12、下院92-27)で通過した。
同様の法律は2003年、ウエストハリウッドで初めて成立した。その後ロサンゼルスやカリフォルニア、デンバーなど一部の自治体で爪切除手術が禁止されている。
クオモ州知事が署名した場合、ニューヨーク州は全米で初めて猫の爪切除手術を禁じる州となる。現在カリフォルニア州やニュージャージー州、マサチューセッツ州でも同様の禁止が検討されている。
なお、ヨーロッパの多くの国やカナダの一部でも違法行為とされている。
法案は、病気や感染、怪我など猫の健康に異常が見られる場合、治療目的とした爪切除は認められる。
法律に違反して施術を行った獣医には、最大1,000ドル(約11万円)の罰金が科せられる。
amNewYorkによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事の広報担当者は、知事は法案を調査した上、署名するかどうかを決定するとしている。
法案を提出したリンダ・ローゼンタール(Linda Rosenthal)州下院議員(民主・マンハッタン)は、「爪切除は、何千もの猫に生涯続く痛みや、不快感をもたらす恐ろしい、そしてまだなお実施されている手術だ。」と非難し、今日は、ニューヨーク州のすべての猫たちが窮地を脱出した日だと成果を語った。
AP通信によると、猫の爪は骨に付着しており、爪切除の手術には腱や神経を切り開くため獣医が必要とされる。法案支持者は、全米の飼い猫の4分の1が施術を受けていると推定する。
法案に反対を唱えていたニューヨーク州獣医師協会(The New York State Veterinary Medical Society)は、「猫の健康が危険な場合だけでなく、飼い主の健康が危険にさらされた場合にも猫の爪切除は必要である。さもなければ、放棄されたり、安楽死させられたりする可能性がある。」と声明で懸念を述べた。