ニューヨークの地下鉄で5日朝、41歳のアジア人男性が、顔を切りつけられる事件があった。
ニューヨークポスト紙によると、男性は午前8時20分ごろ、ロウアーマンハッタンにあるJラインの「ディランシー&エセックスストリート」駅付近を走行する電車の中で被害にあった。電車が駅に到着する際、男がカッターで切りつけたという。
容疑者の男は逃走を試みたが、その場で拘束された。被害者の男性はニューヨークデイリーニュースに対し、「男が大きな刃物を持っていなくてラッキーだった。30年間地下鉄を利用しているが、初めてだ」と衝撃を語った。
拘束されたのはブロンクス在住のブレンダン・ダウリング被告(Brendan Dowling)(39)。暴行罪および物的証拠の改ざんの罪で起訴された。
ニューヨーク市警察の報道官は、2人は面識がなく「無差別暴行」だと説明。現在ヘイトクライム部門が捜査を行っている。
マンハッタンでは先月27日、わずか2時間で、7人のアジア人女性が、顔面を殴打されたり、肘で突き飛ばされたりして、負傷する事件があった。
ニューヨーク市警察は3日、スティーブン・ザジョンク(Steven Zajonc)被告(28)をヘイトクライムやハラスメントなどの罪で逮捕・起訴した。
ニューヨーク市では、アジア人に対するヘイトクライムは昨年129件報告されており、前年(28件)に比べ、361%増加した。
地下鉄での犯罪件数も増加している。犯罪統計によると、1、2月の公共交通機関の犯罪件数375件で、前年同時期の217件より73%増加している。