白衣を着たプレデター、患者に薬を盛りレイプ 録画ビデオで発覚

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ニューヨーク市内の病院に務めていた医師が7日、罪状認否のためにクイーンズにある裁判所に出廷。患者や交際相手など6人の女性に薬を盛り、強姦するなど、50の罪に起訴されたが、無罪を主張した。

ジー・アラン・チェン被告(33)は昨年12月27日に逮捕され、11件の第1級強姦罪や性犯罪、性的暴行罪、違法な監視などの罪で訴追されていた。

ニューヨークタイムズによると、被告は2010年代にオールバニー医科大学を卒業。サンフランシスコにある病院での研修を経て、2020年6月にニューヨーク州の医師免許を取得した。勤め先のニューヨーク・プレスビテリアン・メディカル・センターは、事件発覚後に解雇された。

自宅から薬物やビデオ

クイーンズ区検事局の発表によると、捜査の発端は、当時の交際相手が、クイーンズのアストリアにあるチェン被告の自宅で、自分や他の女性が暴行されている動画を見つけたことがきっかけだった。被害者の弁護士が当局に、情報を提供した。

捜査官が被告の自宅を捜査したところ、フェンタニルやケタミン、LSD、コカイン、MDMAなどの薬物のほか、手術で使用される麻酔(プロポフォールやセボフルラン)、動画の入ったストレージデバイスが発見された。

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犯行があったのは2021年6月から2022年の間で、被害者の年齢は19歳から47歳だという。ビデオには、被告が病院の検査室で、患者らの胸や性器を弄る様子や、オンラインで知り合った女性と自室で性行為に及ぶ様子が撮影されていた。被害者は意識を失っていた。

犯行はニューヨークの自宅や病院、ホテル、ラスベガス、サンフランシスコのほか、タイなど海外にも及んでおり、身元が特定できていない被害者が少なくとも5人いるという。

検察は、被告は、麻酔を投与した後に暴行するという「残忍で、秩序だった暴行を繰り返していた」と非難。被害者は、何が起きたのか覚えていない状態で目覚めたと説明した。

クイーンズ区のメリンダ・カッツ検事長は「最悪のセクシャル・プレデター、連続レイプ犯」だとし、被害を受けた可能性のある女性は申し出るよう求めた。

有罪判決の場合、25年から終身刑を科せられる可能性がある。

病院が隠蔽か

今回の事件について、病院側が事件を隠蔽しようした疑いがある。

2021年6月、19歳の女性が診察直後に意識を失い、目覚めた時に「下腹部に強い痛み」を感じたとうったえたため、家族は病院に調査を求めた。

女性の代理人はNBCニューヨークに対し、病院は当初、院内で性的暴行が起きた可能性があるとして、監視カメラや入室記録、麻酔を行なった医師に対する調査を行ったものの、最終的には対策を講じなかったと説明。女性は、病院が警察への通報を怠り、隠蔽しようとした可能性があるとして、訴えを起こしている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。