ニューヨーク市地下鉄で先週発生した銃乱射事件を受け、エリック・アダムス市長は、地下鉄に金属探知機の導入を検討すると明らかにした。
12日朝、ラッシュアワーの時間帯に、ブルックリンのサンセットパークを走行中の電車内で起きた事件で、10人が撃たれ、合計30人が負傷した。犯人のフランク・ジェームズ被告は、発煙筒で車内に煙を充満させた上で、少なくとも33発の銃弾を発砲した。前代未聞の事件に、市民からは、早急な対策を求める声が上がっていた。
アダムス市長は18日の記者会見で、探知機を導入し、交通システムに武器が持ち込まれていないことを確認することは、利用者に「安心感を与える」と説明。現在、3種類のデバイスが候補に上がっているとし、詳細は後日発表すると述べた。
Gothamistは、アダムス氏が検討している探知機の一つは、マサチューセッツにある「エボルブ・テクノロジー」(Evolv Technology)社製のものだと伝えている。
同社の探知機は、金属の形状や密度、成分などを測定できることから、銃や爆発物と、携帯電話など日常的に使用する物体とを区別できる。問題が検出された人物の写真を撮影し、捜査などに役立てることができる。現在リンカーンセンターや自然史博物館、一部の病院で既に使用されている。先月、受付係2人が刺される事件があったニューヨーク近代美術館(MoMA)でも、導入を決定した。
ロサンゼルスの地下鉄では、米運輸保安局の協力により、2018年からエボルブ・テクノロジーが開発したポータブル式のボディースキャナーを導入している。
地下鉄を運営するMTAのジャノ・リーバー(Janno Lieber)会長は、金属探知機の導入に加え、手荷物検査の再開を検討していると明らかにした。WABCの番組で、ニューヨーク市警察は、米同時多発テロ事件以来、荷物の確認を行ってきた経験があると述べ、「どのように実施するかを心得ている」と早期に開始する可能性を示した。