ニューヨーク市では22日、市長選予備選挙の投開票が行われた。23日午前1時の時点ではブルックリン区長のエリック・アダムズ氏が245,479票(30.9%)でトップとなっている。
2位以下は、公民権の弁護士のマヤ・ワイリー氏173,233票(22.3%)、前衛生局長のキャスリン・ガルシア氏154,286票(19.7%)、起業家のアンドリュー・ヤン氏89,912票(11.5%)、前会計監査官のスコット・ストリンガー氏89,912票(5.1%)となっている。
2020年大統領選民主党予備選に出馬し話題となった、アジア系候補者のヤン氏は22日夜、「投票数を鑑みて、次期市長にならない」と支持者に語り、敗北を認めた。
ワイリー氏は、プログレッシブ派のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州・民主)が今月5日に支持を表明した後、支持率を伸ばした。
共和党の候補者では、ガーディアン・エンジェルズの創設者カーティス・スリワ氏が過半数の票(71.8%)を得て、勝利した。
新投票制度で番狂わせも
ニューヨーク市では今回の選挙で初めて、ランクド・チョイス・ボーティング(RCV)制度を導入した。新制度では、有権者は上位5人の候補者にランキングをつけて投票する。
1位を最も多く獲得した候補者の票数が過半数を上回った場合、この人物が当選する。過半数に満たない場合、第5番目の候補者を脱落させ、この人物を第一候補として選んだ有権者の票は、各票に記された第二候補者に加えられる。
不在者投票(全体の約15-20%と想定)の到着締切日は、選挙日から10日までとなっており、まだ開票されていない。
市の選挙管理委員会は、結果の判明には数週間かかる場合があるとしている。29日に第1回目の結果を発表し、最終結果は来月12日の週になる可能性がある。
ニューヨーク市では民主党として登録した有権者が共和党の8倍になるため、民主党予備選の当選者が市長になる可能性が高い。
アダムズ氏が当選の場合、昨年死去したデービッド・ディンキンズ(David Dinkins)氏に次いで、2番目のアフリカ系アメリカ人の市長が誕生することとなる。ワイリー氏が当選した場合、ニューヨーク市で初めての女性市長となる。