ニューヨーク市歴史建造物保存委員会(LPC)は19日、ストーンウォールの反乱から50年目を迎える節目の年に、LGBTQの人権運動に重要な役割を果たした人々や団体に関連する建物6軒を、新たな歴史建造物に指定した。
LGBTQに関連する建物がランドマークとなるのは、2015年にゲイクラブ「ストーンウォール・イン」(Stonewall Inn)が認定されて以来初めてとなる。
「The Caffe Cino」
イタリア系アメリカ人のゲイ、ジョー・チーノ(Joe Chino)氏が1985年、グリニッジ・ヴィレッジにオープンした「ザ・カフェ・チーノ」(The Caffe Cino)。ゲイのアーティストの作品展示や詩の朗読などに使用された。演劇なども行われ、ゲイシアター・ムーブメントや、オフ・ブロードウェイのパイオニアとして知られる。
住所:31 Cornelia Street, Manhattan
「The Gay Activists Alliance Firehouse」
1971年から74年までゲイ活動家同盟(Gay Activists Alliance、GAA)の本拠地として使用されていたソーホーの元消防署。メンバーのミーティングの他、ダンスパーティやカルチャーイベントも開催され「ニューヨーク初のゲイコミュニティーセンター」と呼ばれた。
住所: 99 Wooster Street, Manhattan
「Women’s Liberation Center」
1972年から87年まで「ウィメンズ・リベレーション・センター」として使用され、LGBTの人権活動や、レズビアン、フェミニズム活動の拠点となった。GAAの消防署と同様に、LGBTコミュニティセンターのモデルとなった。
住所:243 West 20th Street, Manhattan
「The Lesbian, Gay, Bisexual & Transgender Community Center」
1984年から「レズビアン及びゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー・コミュニティー・センター」として使用されている。
住所:208 West 13th Street, Manhattan
「James Baldwin Residence」
「山にのぼりて. 告げよ」で知られる黒人作家ジェイムズ・ボールドウィン(James Baldwin)氏が1965年に居住していたアッパーイーストサイドの建物。
ボールドウィン氏は、パリとニューヨークを行き来しており、昨年バリー・ジェンキンス監督が映画化した『ビール・ストリートの恋人たち』(If Beale Street Could Talk)はニューヨーク在住時に執筆された。多くの作家や、人権活動家のリーダー、音楽家が集った。ボールドウィン氏はキング牧師のカーネギーホールでの公演にも出演している。
住所:137 West 71st Street, Manhattan
「Audre Lorde Residence」
フェミニストで活動家の黒人作家、オードリー・ロード(Audre Lorde)が1972年から87年に居住した建物。
住所:207 St. Paul’s Avenue, Staten Island